令和2年3月5日に開催された環境農政常任委員会の、後半の質疑内容をお知らせします。

※かながわ気候非常事態宣言 ~ 「私たち一人ひとりができること」 より引用
4 豚熱(CSF)対策におけるワクチンの接種について
愛川町・清川村には県内有数の養豚場があります。そのため、昨年12月にCSFワクチンを接種できたことは本当によかったと地元の生産者からもお声をいただいています。
一方で、ワクチンを接種したからといってこの問題が解決するわけではありません。そこで、CSFワクチンについて質疑しました。

※農林水産省HPより引用
初回接種は、昨年12月24日から令和2年1月6日まで行われ、管理獣医師等30名のご協力により、14日間で73農場等の52,699頭への接種が完了したそうです。
国はワクチン接種について「野生いのししからの感染リスクが高い地域から、面的に切れ目なく接種する」としています。
これを踏まえ県では、野生いのしし確認県に隣接する県西北部の相模原市・南足柄市・愛川町・清川村を第1順位として開始し、県内の複数地域に渡り同一経営体を有する農場、厚木市など豚が搬入される地域、平塚市や横浜市など養豚場が密集している地域といった順序で接種を行ったとのことです。

※神奈川県HPより引用
また、現場の状況を確認したところ、
・ワクチンを接種する豚、出荷直前の豚のように接種してはいけない豚を間違えないこと
・注射針を紛失しないこと
・ワクチンを接種した頭数とワクチンを使った量、使った針の本数を突合すること
に細心の注意を払ったとの答弁でした。
さらに、
「使用した注射器が過酷な使用条件下で作動不良を起こすことが多々あったため、日々のメンテナンスが重要なルーティンとなった」
「日が短かい時期だったため、豚舎によっては照明が不足し、携帯電話や懐中電灯のライトで明るさを確保するなど、臨機応変に対応することもあった」
「年末年始の14日間という日程にも関わらず、養豚農家の皆様が全面的な協力を惜しまず、ワクチン接種できる環境を用意してくださったことが短期間で接種をすることができた大きな要因」
との話を伺い、細心の注意を払いながら、年末の寒い中、また暗い中対応いただいた養豚農家の方や、担当者の皆様に改めて感謝申し上げます。

※公益財団法人日本食肉消費総合センターより引用
令和2年度の当初予算では、予防的ワクチンの接種費用として、5,083万円を計上しており、子豚約13万頭、半年後に補強接種する親豚15,000頭に対して接種を見込んでいます。
国の野生いのしし対応マニュアルによると、野生いのししのCSF感染が確認された場合、半径10kmの農場の立ち入り検査のほか、毎日死亡した豚の数を報告する、移動の制限などの対応が必要となりますが、ワクチン接種後は必要なくなるため、農家の負担が大きく減少しました。
県では、ワクチンを接種した豚肉を食べても、人体に影響はないことを各種イベントでパネル展示するなど、PRにも努めています。
また、と畜場に搬入される豚の約8割は県外産であり、豚熱が侵入するリスクが残っているため、消毒体制強化に3,294万円の予算を計上し、引き続き取り組んでいくとされています。
豚熱(CSF)対策については、まだまだ先の見えない長期戦であり、現場の一線で働く方々の負担も大きいと思いますが、市町村や関係団体、民間獣医師の方々などとしっかり連携して神奈川の養豚を守ってほしいと求めました。
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