会議日:令和2年12月4日
2 地域資源を活かす取組について
(3)空き家の利活用について
コロナ禍において、住まい方や働き方にも変化が出てきています。
私の元にも地元の外からも多くの空き家の問い合わせをいただくなど、空き家の利活用のニーズが日々高まっていることを感じています。
平成30年の住宅土地統計調査によると、神奈川県には、空き家が約48万戸あり、空き家率は10.8パーセント、約10軒に1軒が空き家となっており、人口が減少に転じつつある中で、今後も増加していくことが懸念されています。

市町村では、平成27年度に施行された「空き家等対策の推進に関する特別措置法」、いわゆる「空き家対策法」に基づき、空き家の適正管理に向けた取組みが進められており、
・長期にわたって利用されていない空き家の調査
・空き家所有者の特定
・所有者に対する助言・指導
などが行われています。
また、民間のまちづくり団体等により、空き家を利活用する様々な取組が行われており、例えば、逗子市や葉山町では、空き家となった古民家をリノベーションして、地域のコミュニティスペースとして、また、リモートオフィスや宿泊施設、ギャラリーとして利活用している事例などが見受けられます。

空き家を地域の資源として積極的に活用していくことはとても重要であり、特に、活力が低下している地域では、地域コミュニティの拠点として、あるいは、地域ぐるみで高齢者や子育て世帯を支える場として活用することも有効であると考えます。
しかし県全体を見てみると、空き家の利活用が進んでいる地域がある一方で、取組が進んでいない地域もあり、かなりばらつきがあると感じています。
愛川町でも、地域で空き家を活用したいという声は寄せられますが、なかなか実現には至らない状況です。
空き家の利活用の取組は、市町村が中心となって、自治会や地域のまちづくり団体などと幅広く連携して進めるものとは承知していますが、その取組みの推進には、県による支援が大切です。
そこで、今後空き家対策にどのように取り組んでいくのか県土整備局長に見解を伺いました。
県土整備局長答弁
これまで県は、
●空き家の利活用を担う市町村に対して…
窓口を訪れる空き家の所有者に適切なアドバイスができるよう、県と市町村で構成する空き家対策の実務者会議の場で利活用の先進事例などを紹介
●所有者に対して…
空き家に関する制度などを分かりやすく説明する講習会を開催してきました。
こうした中、空き家の利活用が進んだ市町村がある一方、具体的な進め方が分からないなどの理由で取組みが進まない市町村もあるため、県では、空き家を地域の交流拠点として活用するため、利活用に取り組むモデル事業を実施しました。
この事業を通して分かった住民目線の注意点を記録として残し、空き家の利活用の進め方に活用できるよう、現在リーフレットにとりまとめています。
県は、市町村が所有者へのアドバイスを円滑に行えるよう、このリーフレットをもとに勉強会を行い、希望がある場合には専門のコーディネーターを派遣するなど、市町村の取組みを底上げしていくほか、空き家の所有者に対しても、利活用に取り組むきっかけとなるよう民間が開催する空き家対策のセミナーや相談会などに参加して、リーフレットを活用した啓発活動に努めるとのことです。

※神奈川県住生活基本計画より
コロナ禍で県内へ都心からの転出や移住の相談が相次いだり、実際に移住や働き方の変化が出ていることを鑑みると、今後空き家の利活用は、地域の大きな流れになると考えます。
県ではモデル事業に取り組んでいたということですが、そこで培った知見をしっかりと今後も生かすともに、市町村の空き家支援にもしっかりと取り組むことを求めました。