令和2年

⑦ スポーツ選手のセカンドキャリア形成について【令和2年第3回定例会】

会議日:令和2年12月4日

2 地域資源を活かす取組について

(4)スポーツ選手のセカンドキャリア形成について

アスリートが最高のパフォーマンスを発揮して活躍する姿は、人々に興奮や感動を与えてくれるとともに、子どもたちに夢や希望を与え、スポーツをやりたいと思う次世代のアスリート育成にも大きく関わってくるものと考えます。

そうしたアスリートの発掘・育成については、県でも今後、スポーツセンターで実施していくものと認識していますが、こうしたアスリートが活躍した後のセカンドキャリアについても発掘・育成に加えて考えていくことは重要な視点であると思います。

※日本オリンピックミュージアム

新聞等のメディアによれば、東京オリパラの後に多くの競技選手が引退することが想定されていると聞きます。

また、コロナ禍の影響により、オリパラの延期もあり、志半ばで引退していくアスリートの報道などもありました。

最近は、引退後キャリアを経て、競技に復帰しているアスリートも見受けられ、特に女性アスリートでは、結婚・出産を経てすぐに競技復帰する例もみられるようになるなど、アスリートを取り巻く状況は大きく変わってきています。

※愛川中原中学校で行われた小菅寧子氏によるJOCオリンピック教室

一方、地域スポーツの現場では、地域の少子化や指導者不足が叫ばれ、運動技能が高く専門知識を持った選手や指導者の力を求める一方で、スポーツ指導者の中には、活動機会がなくせっかく取得した指導者資格を放棄してしまうといった事例もあると聞きます。

近年、スポーツを通じた地域との関わり方にはさまざまな形があり、仕事として、また、ボランティア活動として、取り組む例も数多くあります。

・技術や人間教育を通じたスポーツ指導
・イベント企画
・SNSなどの活用を通じた独自の集客
・スポーツツーリズムと合わせたガイド
・解説者
・講演活動
・クラブやジム運営

県では、これまで神奈川県スポーツ協会や各種目競技団体などを通じ、競技者への様々な支援を行っているほか、JOCなどと連携したアスナビなどの就業支援も行ってきました。

スポーツ選手として活躍した経験を地域の中で活かしてもらうためにも、セカンドキャリアに対する視点はとても大切です。

そこで、スポーツ選手のセカンドキャリアの形成についてどのように取り組んでいくのか、スポーツ局長に伺いました。

スポーツ局長答弁

(1)セカンドキャリアを見据えた取組み

【県】
現役中の競技活動の支援に加え、引退後も引き続きその能力を活用してもらえる企業とスポーツ選手をマッチングする「アスリートの支援のための企業説明会」を、JOCや県スポーツ協会と連携して開催

【国】
選手自身が現役中に競技生活だけでなく就業や起業、地域貢献などの社会活動を並行して行う大切さを認識し、実践する「デュアルキャリア」という考え方の普及啓発

※スポーツ庁:日本スポーツ振興センター事業報告書(2019年度)より

県としてもスポーツ協会と連携し、ジュニア世代をはじめ一人でも多くの選手に、デュアルキャリアの大切さを実感してもらうための研修機会の提供等に努めていくとのことです。

(2)地域でのスポーツ指導

県では、

●指導者資格を有する選手を登録・紹介する「スポーツリーダーバンク

●オリンピック経験者などをメンバーとする、「かながわアスリートネットワーク

を設置し、地域のスポーツ教室やイベントへの紹介・派遣なども行ってきました。

新型コロナウイルス感染症拡大の中にあって、地域でのスポーツ活動の大切さは、ますます高まりつつあることから、県は今後、市町村等とも連携しながら、こうした仕組みをより積極的にPRすることで、選手のキャリアの活用に役立てていくとのことです。

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