令和2年

① かながわ水源環境保全・再生施策の取組について【令和2年第3回定例会】

会議日:令和2年12月4日

(1)かながわ水源環境保全・再生施策の取組について

県では、平成19年度から「かながわ水源環境保全・再生施策」に取り組んできました。

この施策では、水源環境を保全・再生するため、20年間の全体計画と5年ごとの実行計画を作り、11の取組みを推進しています。

これらの取組みは、県民みなさんの税金を財源に行われています。

現在、第3期実行5か年計画の4年目となり、現行の計画が満了すると「かながわ水源環境保全・再生施策大綱」で定められた期間も残すところあと5年となります。

そうした中、本年6月に、施策の点検・評価の役割を担う「水源環境保全・再生かながわ県民会議」から、これまでの13年間の取組の成果と課題を検証し、最後の5年間の取組に繋げるための「施策の総合的な評価(中間評価)報告書」が県に提出されました。

その報告書によれば、全体として概ね順調に進められているとのことであり、地元でも施策を評価する声や施策の継続についての要望も頂いています。

私自身も山に入り、水源林などを見ると、これまで取り組んできた森林整備やシカ対策は水源環境の再生にとって、途切れなく欠かすことできない施策であると実感しているところです。

一方、昨年は台風第15号と第19号が立て続けに発生し、神奈川県内にここ数十年経験したことのない大規模な被害をもたらしました。

特に台風第19号は、水源地域内の森林に猛威を振るい、倒木や土壌流出など多数の被害が発生したことから、県民会議からの意見書の中でも「今後想定される自然災害を踏まえ、林地保全対策を強化する必要がある」とのご意見がありました。

現在県では、令和4年度からの「第4期実行5か年計画」の策定準備が進められています。

最後の5か年計画になることから、これまでの第1期から第3期までの進捗状況を踏まえ、取組みの成果と課題を検証した上で、県民会議からの意見も受けとめて、残り5年間の計画を練り上げていくべきと考えます。

そこで、

①水源環境保全・再生施策のこれまでの取組により、どのような成果や課題があったのか。②それを踏まえ、最後の5か年計画となる第4期計画では、どのように取り組もうと考えているのか

知事に所見を伺いました。

知事答弁

これまで県では、良質な水を将来にわたって安定的に確保していくため、森林をはじめ、河川や地下水等も含めた水源地域一帯の保全・再生の取組みを、10年以上の長期にわたって進めてきました。

その結果、間伐と併せて、シカの管理捕獲や食害を防ぐ植生保護柵の設置などシカ対策を強化したことで、下草が回復し、土壌の流出が抑えられるなど、取組みの成果が着実に現れてきており、このことは、有識者や公募委員等で構成する「水源環境保全・再生かながわ県民会議」からも評価をいただいているとのことです。

一方、将来にわたり森林が水源としての機能を発揮していくためには、

●継続した整備が必要である
●昨年の台風被害を教訓に、頻発化・激甚化する自然災害への対策を強化する必要がある

といった課題が明らかになりました。

第4期実行5か年計画は、平成19年度から開始した水源環境保全・再生施策大綱の最後の計画であり、20年間の取組みの集大成となるとともに、大綱終了後に水源地域をどのように保全するかを検証し、将来につなげていく役割もあります。

第4期計画では、これまでの取組みの成果と課題を踏まえ、

●森林や河川など水源地域一帯の保全・再生に引き続き取り組む
●自然災害への対応として、水源地域の土壌保全対策を強化するほか、台風等で間伐材が流木となって流出しないよう対策を講じる
●大綱終了後を見据えた取組みについても、県民会議からのご意見を踏まえて検討していく

とのことでした。

こうした考え方を第4期計画骨子案にまとめ、広く意見をいただきながら計画を策定し、神奈川の豊かな水源環境を次の世代に引き継いでいけるよう取り組んでいくとの答弁でした。

その後公開された骨子案がこちらです。2021年1月17日(日)まで意見を募集しています。

良質な水を、今後も安定的に確保していくためには、施策により取り組んできたこれまでの成果についてさらに県民に周知していくことが必要です。

最後の5年間となる第4期計画の中で、どのように広報を行っていくのか確認しました。

知事の答弁では、コロナ禍にあってイベントの開催は難しい状況だが、県のたよりやHPのほか、わかりやすいデータ映像を作成しWEB上で公開するなど様々な手法を使って広報に努めるとのことでした。

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