会議日:令和2年12月11日【子ども・子育て・高齢社会対策特別委員会】
県立高校の学習活動コンソーシアムについて
※県立愛川高校HPより
★「学習活動コンソーシアム」とは…
これからの高校教育では、子供たちが未来社会を切り拓くための資質・能力を一層確実に育成するため、「社会に開かれた教育課程」の実現をめざすこ とが求められています。
このような中で、県教育委員会では、県立高校改革実施計画に基づき、外部資源の更なる活用を通して、 生徒の学習意欲や興味・関心、さらには進路希望の実現に向けた学習ニーズに対応できるよう、大学、短大、専修学校各種学校協会等の教育機関や企業等と「連携と協力に関する協定」を結んで、「県立高校生 学習活動コンソーシアム」を形成しました。
県央・相模原地域がモデル地域となっているが、どのような取り組みを行ったのか
中央農業高校をモデル候補として選定し、生徒が実践的な体験をした
本事業は、県央・相模原地域と港北・川崎地域の二つの地域をモデル地域とし、県央・相模原地域ではモデル地域の中核校、モデル候補として、中央農業高校が選定されました。
モデル校の中央農業高校では、企業や大学、地域の施設と協力して、農業や環境、それから職業、販売等をテーマに、生徒が実践的な体験ができるプログラムを実施しました。
具体的には
・県内のスーパーマーケットと連携して、学校で生産する鶏卵を使用したメニューを販売
・食資源科学という授業で地域の保育園に苗の植え付けを教えた
・食品製造実習の中で製菓、お菓子づくりの専門学校の講師の方を招き、より高度な内容の講義を受けた
このようなプログラムを実施したとのことです。
※県立愛川高校HPより
企業や大学との連携はどのように行っているのか
年間計画に基づき、教員の方から依頼をしている
各高校では、年間の計画に基づき、教員から地域の企業や大学等に依頼をします。
《依頼の流れ》
①学校で担当の教員が授業の内容、実施したいプログラム等を考え、連携したい企業、大学等をイメージし、教育委員会のホームページでプログラム等を探す。
②希望する連携機関がプログラムが見つかったら、直接相手方の担当者と連絡を取り合って、細かいことを調整してプログラムを実施していく
コンソーシアムは教育活動でどのように活用しているのか具体的な事例は
大学から出張いただき講義を行っていただいている
《本事業の具体例》
●生徒の数学への学習意欲を高めたい
→大学と連携し、数学の苦手な生徒も興味が持てるような教材をアニメやイラストを使ってつくっていただき、大学のほうから出張講義を行っていただいた
●経済に関わる歴史的事象に対する理解を深めたい
→銀行と連携し、 バブル経済の崩壊に関する出張講義を行っていただいた
これまでの取り組みによる効果は
生徒の学習意欲が高まった、進路意識が高まったなどの感想があった
《取り組みの効果》
●生徒の学習への意欲、興味、関心が高まった
●大学、企業等との連携が多く、進路意識が高まった、進路選択の一助となった
●発表する側となって、聞いている人たちが何を問題なのかを問いかけることが大切だということを知ることができ●ネットだけではなくて自分たちでアンケートを取って、数値化するということの根拠があっていいなということを感じた
これらの感想から、コンソーシアムのプログラムが生徒にとって、学習面や生活面において有効であるということが認知されたと県では認識しています。
プログラムの提供にいたる経緯は
当初は学校から働きかけたが近年は大学や企業からの提案も多い
コンソーシアムの取り組みは平成28年度から始まった県立高校改革実施計画の中で位置づけられています。
当初は教科の担当が大学や短大あるいは企業を訪問し、事業について説明をして、参加していただきました。
最近では大学や企業から手を挙げていただくことも増え、例えば企業の方から、高校生にこういったプログラムを提供したい、あるいはこうしたことで貢献したいというお話をいただき、コンソーシアムに加わっていただくこともあります。
県立高校において取り組みを推進するための取り組みと働きかけは
HPでの紹介と共有のほか活用事例集を配布した
《コンソーシアムを推進するための取り組み》
●県のHPで各校の取り組みを紹介し、内容を全ての高校で共有できるようにしている
●各高校に連携団体から提供いただいたプログラムなどを知らせるメールマガジンを送付
●生徒の学習意欲の向上に役立った事例を活用事例集としてまとめ、今年5月全ての県立高校に配布
今後もコンソーシアムの取り組みに関する情報を周知する機会をできるだけ増やし、事例紹介や連携機関の提供プログラムを高校に十分周知するほか、コンソーシアムを使って外部団体もいろいろご協力いただくことで、生徒の学習活動をしっかり伸ばしていけることをお知らせしながら、活用を見直していくとのことです。
神奈川県議会議員:佐藤 けいすけ