国際文化観光・スポーツ常任委員会
シェアサイクルは、複数の観光地を周遊する手段として有効と言われており、新型コロナの感染拡大によって、三密を避ける観点からもサイクリングなどが注目を集めています。
県では、湘南地域でのシェアサイクルの普及に向けた取組を推進しています。
湘南地域には海沿いを東西に走る国道134号に沿って鎌倉や江ノ島大磯など魅力的な観光スポットが多く存在しており、県と湘南地域の4市3町では、シェアサイクルを活用して観光客の利便性を高めることによって、湘南地域の観光地としての魅力を向上させることを目的として平成29年12月に湘南地域自転車観光推進協議会を設立しました。
※県のシェアサイクル体験レポートより
協議会は、シェアサイクル事業を運営する上での課題を整理して、湘南地域でのシェアサイクル事業の定着に繋げるため、民間事業者と協定を締結し、平成元年8月から令和4年3月までの間実証実験を行っています。
実験では、民間事業者に湘南地域で実際にシェアサイクル事業を実施していただき、県や市町は地元との調整や自転車を停めるサイクルポートを設置する土地の無償貸し付けなどの支援を行っています。
県の役割と予算は
関係機関との調整や土地の県有地の無償提供を行い、予算計上はなし
実証実験事業は民間事業者が主体となっているため、県の役割は事務局として協議会を運営するほか、地域の商店や鉄道事業者など関係事業者との調整、地域住民への事業の周知などを行っています。
さらに、サイクルポートの設置場所として県有地を無償提供しています。現在無償提供している県有地は現在4箇所で、72台のシェアサイクルが設置されていますが、令和4年度以降については今後の調整事項となります。
この事業は、県として歳出予算の計上はなくゼロ予算事業として実施しています。
民間事業者については、実証実験事業を行うに先立ち、平成31年3月に自転車施策や地域経済に精通した有識者と県と4市3町の観光企画課長による審査会を設置し、公募型プロポーザル方式により決定されました。
当初4社から提案があり、うち3社を採用しましたが、その後事業開始までの間に、サイクルポートの設置箇所や運営方法の調整を行う中で、事業の採算がとれないということを理由として2社が辞退され、現在の事業者と締結することとなりました。
現時点での課題は
サイクルポートに地域的な偏りが生じている
現在107箇所のサイクルポートで898台の自転車を設置しています。
採算性を確保するためには駅前や利用客が多い施設を中心としてポートの設置箇所を拡大する必要がありますが、現在寒川町と二宮町にサイクルポートが設置されておらず、大磯町も7箇所しか設置されていないなど地域的な偏りが生じているとのことです。
さらに、現在県内では複数の事業形態でシェアサイクル事業が展開されていますが、それぞれ運用施設が異なるため、相互に乗り入れができない課題があります。
こうした課題の解消に向けて、協議会の構成員と連携して検討と調整を行っているとのことです。
実証事件は令和4年度までだが、今後の方向性は
協議会の運営自体は継続し、民間事業者と連携しながらさらなる観光振興につなげる
令和4年度以降は県や市による土地の無償貸し付けは終了し、民間事業者が自ら採算性を確保して自立的に運営する体制に移行する考えです。
シェアサイクル事業は観光客の利便性向上に繋がるだけではなく、利用者の利用データから、観光客の動向を分析して、観光プロモーションに繋げていけるということも期待できるため、令和4年度以降も協議会の運営自体は継続し、民間事業者と連携しながらさらなる観光振興につなげていくとのことです。
また、今回の実証実験の成果をシェアサイクル事業を導入したいという県内市町村や他の地域があれば、成果を共有して一層の普及や定着に結び付けていきたいとの答弁でした。
佐藤も以前県西部で行っている実証実験を見させていただきました。
(詳細はこちらのブログから)
先日も厚木市でeバイク(電動アシスト自転車)を利用した環境省モデル事業が行われたことや、最近藤沢市では電動キックボードの実証実験を行っていると伺っています。
地域を周遊する手段として有効なほか、コロナ禍のこのような時期だからこそ検討できることも多いと考えます。
その土地に合った管理やコストで実施できる方法があるとため、県として検討することを求めました。
【アンケートを実施しています】
今後の愛甲郡の観光促進、住民生活向上への取組みとして皆様のお声を聞かせてください。
簡単なアンケートになりますので、下記URLより是非ご回答よろしくお願いいたします。
(こちらのアンケートは町内外問わず、回答をお願いしております。)
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