令和3年

かながわ水源地域活性化計画について

2 山や自然を活かした地域づくりについて

② かながわ水源地域活性化計画について

宮ケ瀬ダムが本格運用を始めて20年を迎えました。
着工当時佐藤は中学生で、工事の様子を見ていました。幼少期は中津川で遊び、ダムができる前とできた後を知る最後の地元の世代です。

現在愛川町では横須賀水道半原水源地跡地が話題となっており、こうしたことは、水源地の役割について考えるきっかけになるとともに、どのように次世代や下流域の方に水源地のことを伝えていくべきか日々考えているところです。
水源地の役割は、水資源を送ることだけではなく、守り伝えていくことも重要です。

※県資料より 宮ケ瀬ダム

県では、平成元年度から水源地域での計画を策定し、活性化施策に取り組んできました。
本年3月には、新たに「かながわ水源地域活性化計画」が策定されたところであり、今後の取組みに期待しています。

一方、歴史や文化の伝承という視点で地元の皆さんの声を伺うと、「語り部」が少なくなり、水源地域を理解し、伝えていくことが難しくなっているとのことです。

水源地の水や山にまつわる「歴史」や「昔物語」、「言い伝え」が十分に掘り起こされていないほか、水源地域の水のきれいさを地元の子どもたちにさえ、十分に伝えきれていない等の課題があります。

水や山などの自然、郷土の歴史や文化といった水源地域の資源や魅力を発信・伝承していくことの重要性、また、「語り部」としてこれらを伝えていく人材の確保の重要性を、改めて感じています。

そこで、山間部の人口減少や高齢化が進む中、水源地域の活性化のためには、地域の魅力を発信する方の活動をサポートするとともに、そうしたことのできる多様な人材を新たに掘り起こすことが重要と考えますが、県としてどのように取り組んでいくのか伺いました。

知事答弁

県では、産業の発展や都市人口の増加に伴う水需要に対応するため、相模湖、奥相模湖、津久井湖、丹沢湖、宮ヶ瀬湖の5つのダム湖をつくり、県民の水資源を確保してきました。

併せて、水源地域を取り巻く環境を良好な状態で維持し、次世代に引き継ぐため、「水源地域の活性化」と「水源環境の理解促進」に取り組んできました。

※かながわ水源地域活性化計画より「やまなみ五湖」の位置

本年4月、「かながわ水源地域活性化計画」に基づき、郷土芸能の名人、郷土工芸の匠など、水源地域の魅力を発信する様々な活動をしている方を、「かながわ水源地域の案内人」として登録する制度を創設しました。
現在は、13名・2団体の皆様を登録し、活動していただいています。
今後は、案内人の皆様のご意見等を伺いながら、活動しやすい環境の整備や、案内人同士の連携促進などの支援を行っていきます。    

また、案内人のすそ野を広げるため、地元の若者や都市部の住民の方々を対象に、案内人との交流の場を設けるなど、人材の掘り起こしにも取り組むほか、若い案内人の強みを生かし、SNSを活用した伝統工芸の紹介など、新たな情報発信なども促し、これまでとは違った層にも訴求していくとのことです。

案内人制度が効果的な取組みとなるように期待しています。費用が限られるため、少ない費用で大きな効果を上げるサポートを求めました。

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