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神奈川県内でまん延するナラ枯れ被害対策について

1森林資源の管理・利用について

③ 神奈川県内でまん延するナラ枯れ被害対策について

※ナラ枯れについて以前詳細をブログにまとめています。こちらからご覧ください。

昨年から猛威を振るうナラ枯れに対し、県は実態把握に努めるとともに、市町村などへの技術支援や経費の助成を行っています。

先日県が民間団体向けに開催した研修会に佐藤も参加しましたが、ナラ枯れ被害に対処していくためには、防除方法だけでなく、里山や木への理解など多くの知識が必要であることを実感したところです。

※クリアファイルトラップや、カシナガホイホイ設置を実地で体験

現場では、
・被害の情報が十分に行きわたらないことや、多額の経費やマンパワーを要すること等から、十分な対策が困難な状況
・被害が広範囲に点在し、市町村や森林所有者は、どうすれば効果的な防除が図れるか判らず、結果として被害の軽減に繋がらない状況
になっています。

ナラ枯れの実態からみて、すべての被害木に対処することは困難ですが、今年も昨年同様の被害が懸念されるなか、被害をできる限り軽減していくためには、病虫害対策の知識や技術を有する県が、迅速かつ正確な被害状況の把握や対策への支援をこれまで以上に進めていくことが必要です。

そこで、県として昨年から急激に拡大しているナラ枯れ被害に対し、今後の対策にどのように取り組むのか見解を伺いました。

環境農政局長答弁

県ではこれまで、県が管理する森林において、

・利用者の安全を確保するため、被害木の伐採や薬品注入等の防除対策
・ナラ菌の媒体であるカシノナガキクイムシの発生状況の調査
・ナラ枯れ被害対策を行う市町村や森林組合など関係者に対し、防除技術習得のための研修会を毎年開催するとともに、国及び県の補助金を活用した支援

を行ってきました。

※ビニール被覆のようす

しかし、昨年度のように被害が広範囲にわたると、全体像の把握や全ての被害に対処することが、困難な状況になってきています。

そこで県では、今年度、衛星デジタル画像を利用して、被害前後の画像解析を行い、被害の全容を把握するとともに、その情報を市町村にも活用してもらえるよう、いち早く提供していきます。

また、今年5月にナラ枯れ被害対策に関する ガイドラインを策定し、市町村に配布しています。
このガイドラインでは、被害が発生していない箇所での措置として、粘着シートを木の幹に装着し、カシノナガキクイムシが樹木に入り込まないための取組みなどを紹介しているほか、、被害が発生している箇所では、安全面の確保、景観面の保全などを優先した対策の必要性や、被害木の伐採、燻蒸等、具体的な対処方法が明記されています。

国に対してもナラ枯れ被害に十分な対策が講じられるよう必要な予算の充実について要望し、市町村や関係機関と連携しながら、被害の把握や実効性のあるナラ枯れ被害対策に取り組んでいくとのことです。

※木の幹に装着する粘着シート「かしながホイホイ」

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