令和3年

② コロナ禍での精神疾患の状況

長期化するコロナ禍により、過度な自粛や生活の変化で、精神的に追い詰められている方が非常に多いと感じます。
子どもと女性の自殺も増えていると報道で聞き及んでいるほか、医療従事者の方々も非常に強いストレスを抱えながら業務に取り組んでいただいていると思っています。
そこで、県の精神医療について質疑しました。

県内には本年4月1日現在71の精神科病院があり、病床数は13,911となっています。
国の精神保健福祉資料である「630調査」によると、令和2年6月30日現在の精神科の入院患者数は、前年度より311人少ない11,444人でした。
また、県の精神保健福祉センターや保健福祉事務所における精神面に関する相談件数は、前年度より1,449件多い16,713件となっています。

ころな禍で増えているとされる「うつ病」に関しては、入院より外来での治療が多く、外来の患者さんについては、現在集計作業中とのことです。

※県こころナビかながわのページはこちら

佐藤けいすけ

子どもや女性、依存症等の分析は

課長

家庭で過ごす時間が増えたことによる負担の増加等の分析がある

国の「いのち支える自殺対策推進センター」の分析によれば

●子どもの悩み
・休校明けの学校生活になじめない
・オンライン授業についていけない
・自粛生活でコミュニケーションが不足している
・家庭で過ごす時間が増えたことによる家族問題が増加することで悩みが増えた
●女性の悩み
・コロナ禍で人と接する機会や場が少なくなった
・経済的にも不安定な生活を強いられている
・ステイホームで家事の負担が増加している
・DV・育児・介護疲れなどの家庭問題が悪化している

といった結果が出ています。

また、630調査によると、令和2年6月30日現在の依存症入院患者については、前年より27人少ない517人となっています。
外来患者数が把握できていないため断定はできませんが、世界保健機関のWHOによれば、コロナ禍で外出自粛が続く中、ゲーム利用の長期化に伴う依存症のリスク増加やアルコールの増加等言及されているところです。

民間の病院や学校など、さまざまな機関と連携しヒアリングを行うなど、実態把握に努めていただくことを求めました。

県資料より

昨年、精神科コロナの重点医療機関のスキームが作られました。
精神科コロナ重点医療機関は、県立病院機構と湘南鎌倉総合病院が連携し、現在3病院が運営しています。加えて、その重点医療機関を支える役割として、コロナの疑いのある方を受け入れる病院が1病院、コロナの退院基準を満たした方を受け入れる協力病院が6病院を確保しています。

その他、認定はしていませんが、自殺未遂等に加えてコロナの症状が疑われるような方を受け入れるための精神科救急の協力病院についても確保をしているということです。
これらのスキームの中で昨年度から陽性患者さんを92名、それから疑い患者さんを20名受け入れています。

精神科病院における対応の手引き

昨年度から精神科病院ではクラスターが多く発生しました。
要因としては、
・感染症対応に適していない施設構造、構造上のリスクがある
・マスクの着用がなかなか難しい患者の特徴によるリスクがある
・作業療法など集団で行う治療が多いといった治療の特徴によるリスクがある
・疾病の病院に比べてふだん感染症の対応をしておらず、感染症対策に精通した職員がいないため初期対応の遅れにつながりやすいというリスクがある

このため、クラスターに繋がったとのことです。

そこで、クラスターを起こさない取組みとして、精神科病院におけるコロナに対する日々の備えや、入院患者さんがコロナに感染した場合の初動の動き等を記載した手引きが作成されました。

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