令和4年

⑤ 県立高等学校の特色化・魅力化につながる普通科改革【令和4年第1回定例会】

会議日:令和4年2月24日

(5)県立高等学校の特色化・魅力化につながる普通科改革

本県の高校等への進学率は99%に達し、今日では、中学校を卒業したほぼ全ての生徒が進学する教育機関となっており、高校進学者の8割以上が普通科に在籍しています。

私の地元の愛川高校も普通科高校であり、地域学校協働本部やコミュニティスクールの取組み、また、愛川町立中学校との連携型中高一貫教育校として地域密着型の教育活動の展開など、地域とのつながりを重視し、様々、取組を行っていただいています。

一方で、地元の皆様からは、学校の特色をもっと出して、生徒に選ばれるようになり、愛川町の中学生がもっと愛川高校に入学し、地域を盛り上げて欲しいという声をよく聞きます。

県立愛川高等学校HP

近年は、私立高校に入学する中学生が増え、さらに、広域通信制の高校に入学する生徒も増えてきています。

こうした学校が特色や魅力を打ちだしている中、県立高校の普通科も中学生により選ばれるためにも一層の特色づくり、魅力づくりが必要と考えます。

こうした中、昨年1月、中央教育審議会から「『令和の日本型学校教育』の構築を目指す趣旨の答申が出されました。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)

その中で、高校生の学習意欲を喚起し可能性及び能力を最大限に伸長するため、設置者の判断で、特色・魅力ある教育内容に弾力的に取り組むことができるとする普通科改革などが示されました。

それを受け、文部科学省は、昨年3月、高等学校設置基準等を改正し、普通教育を主とする学科として、普通科以外の学科を設置可能とし、そこでは、現在及び将来の地域社会が有する課題や魅力に着目した実践的な特色・魅力ある学びに取り組む地域社会に関する学科等が示されました。

文部科学省令和4年度当初予算(案)の概要

特に、地域社会に関する学科は、高等学校が立地する地元市町村を中心とする地域社会が抱える諸課題に対応し、地域や社会の将来を担う人材の育成を図るものであり、地域社会と連携・協働して取り組んでいくことで、高等学校の特色化・魅力化につながるとともに、地域活性化にも資するものと考えます。

そこで、普通科改革で設置可能となった地域社会に関する学科を、今後、県立高校に設置することについて県立高校改革担当局長に見解を伺いました。

県立高校改革担当局長答弁

県教育委員会では、現在、平成28年に策定した、「県立高校改革実施計画」に基づき、県立高校の特色化・魅力化につながる取組みとして、豊かな表現力などを育成する舞台芸術科や、グローバル化に対応した国際バカロレア認定校など、新たな学科やコースを設置してきました。

また、学校が地域づくりの核としての機能を有するとの認識のもと、全ての県立高校で、コミュニティ・スクールを導入し、地域に開かれ、地域とともにある学校づくりに取り組んでいます。

リーフレット「神奈川らしいコミュニティ・スクール」

そうした中、普通科改革に関する中央教育審議会の答申により、学校設置者の判断で地域社会に関する学びに重点的に取り組む学科の設置が新たに可能となりました。

この学科は、地域社会が有する課題や魅力に着目した実践的な学びに取り組む学科であり、地域社会の将来を担う人材の育成などが期待されています。

一方で、この地域社会に関する学科を設置する場合には、

地域社会に関する学科を設置する場合

・中学生にどの程度のニーズがあるのか
・地元自治体や関係団体からの協力が十分に得られるのか
・学科卒業後の活躍の場があるのか

など、様々な課題があります。

県教育委員会としては、こうした点も踏まえ、地域社会に関する学科の設置の是非も含め、今後の県立高校改革の中で、検討するとの答弁でした。

リーフレット「県立高校が変わります!」

今回は学科の編成の視点で質疑をしましたが、県立高校の魅力化というのはこの限りではないと感じています。

他の都道府県では、ユニークな学科が新設されるということも聞いています。

こうした取組等も研究を行い、来る県立高校改革に向け、市町村や地域の声も聞きつつ、県内での展開につなげていくことを求めました。

一般質問の様子は、県HPから録画映像をご覧いただけます。
https://kanagawa-pref.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=2660

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