会議日:令和4年2月24日
2 神奈川の未来を守る取組み
(1)持続可能な農業に向けた優良農地の保
近年、気候変動や環境問題への関心の高さから、持続可能な社会に向けた取組がSDGsの取組が世界で広がりつつあります。
農業についても、2030年までに、様々な気候変動などに適応させつつ生産量を増やすなど持続可能な食料生産システムを確保し、強靭な農業を実践するとのことです。
また、国においては、農林水産業について、昨年、生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現する「みどりの食料システム戦略」を策定し、
みどりの食料システム戦略
・CO2ゼロエミッション化の実現
・化学肥料の使用量を30%低減
・耕地面積に占める有機農業の取組面積の割合を25%に拡大
など、2050年までに目指す姿を示しました。
このような中、有機農業をはじめ、環境にやさしい農業の推進については、本県でも有機農業推進計画等に基づき取り組まれており、また、私の地元、愛川町においても、熱心な農家が有機野菜を栽培し、小学校の給食に提供するなど、先進的な取組がなされています。
一方、こうした環境にやさしい持続可能な農業が行われるためには、まずはその基礎資源である優良な農地が保全され、良質な土づくりが行われないと取組が広がらないといった声も聞いています。
しかし、近年、愛川町では、農地改良の際に、良質な黒土が他地域へ売却されるといった事案が生じているとのことです。
千葉県内の市町村では、県の指針に基づき、仮に土を持ち出す場合にも、従前の土と同等以上の土砂等を戻すことを許可の条件にするなどし、農地の保全を図っていると聞いています。
本県内の農地では、海沿いの平野部から山間部までそれぞれ地形や気候を生かして、様々な農作物が生産されているため、一律の農地規制は難しいものと理解しますが、大消費地を抱える本県において、有機農業をはじめ、持続可能な農業を推進していくためには、土の質的確保などによる優良な農地の保全が重要であると考えます。
そこで、本県において持続可能な農業を推進するため、優良農地の保全について、今後、どのように取り組んでいくのか環境農政局長の見解を伺いました。
環境農政局長答弁
農業者は、連作により生産性の落ちた農地を回復させるために、盛土や、別の場所の土との入替えなどの農地造成を行うことがあります。
その際に行う土の搬出自体は、所有者が自由に土を処分する権利を有しており、規制はできませんが、優良な農地を保全するためには、土の入替えの際に、耕作に適した土が搬入され、農業が継続されるようにする必要があります。
このため、農地法による許可制度では、廃棄物を含むような悪質土が搬入される恐れがないこと、作物の生育に必要な深さまで、耕作に適した土を入れることなどを条件としています。
その条件が確実に守られるよう、県は、農業委員会と連携し、許可に至るまでの段階で、搬入される土の質の審査を徹底し、許可後には、農地パトロールによる指導を更に強化していきます。
また、土の入替え後も、堆肥等有機物の投入などによる土づくりをはじめ、環境にやさしい農業に関する技術の普及指導を引き続き行い、こうした取組により、優良な農地を保全し、本県農業の持続的な発展を図っていくとの答弁でした。
農地保全に関しては地元でも様々な要望をいただいています。
答弁では農地は個人の財産ということでしたが、今は相続などにより農業者でない方も多いということが問題としてあります。
こうした点も今後の農地保全の観点から様々な対策が必要だと考えています。
有機農業や自給率の割合を上げていく流れにあっては、農地保全は引き続き必要なテーマとなるため、県としてもしっかりと取り組むことを求めました。