令和4年

⑦ 多世代交流・多機能型の福祉拠点 【令和4年第1回定例会】

会議日:令和4年2月24日

(2)多世代交流・多機能型の福祉拠点

地域において、子どもや高齢者など様々な世代の方々が交流することは、それぞれにとって良い影響を与えるものと一般的には考えられています。

現在はコロナ禍で、交流すること自体が困難な状況ですが、多世代交流は共生社会を進める本県にとっても重要なテーマであり、コロナ後の社会を見据えて取組みを進めていくべきと考えています。

老人クラブなど地域の団体でも多世代交流を意識した活動が行われていることは承知していますが、私は取組みの一つとして多機能型の福祉拠点に注目しています。

多機能型の福祉拠点の公式な定義はありませんが、私がイメージするのは、例えば、高齢者の施設と子どもの施設が併設される「幼老複合施設」のように、多種多様な人々がその場で交流する施設や、単体の高齢者施設などでも、多世代交流を含め、地域との交流に積極的に取組む施設です。

愛川町でも、認知症グループホームや、高齢者に通いと宿泊といったサービスを提供する事業所、障害児の放課後デイサービス、更に、地域イベントスペースなどを備えた多機能型の福祉拠点が、この3月にスタートし、様々な人が交流することで、高齢者の機能改善や、地域の方の孤立化を防ぐなどの効果が期待できます。

また、愛川町のような複合施設でなくても、高齢者施設が地域交流に取り組むことによって、近所の子どもが高齢者と話すなど「居場所」として楽しく過ごしたり、地域住民がイベントなどで施設を訪れ、楽しみや生きがいを得ることで、心身の状態の改善につながっている例もあると聞いています。

今後、高齢化がさらに進み、認知症高齢者の増加が予測される中、未病改善の観点からも、施設が拠点となって、様々な世代が地域で交流する取組が盛んになってほしいと考えています。

そこで、こうした多機能型の福祉拠点が地域に広がっていくよう、県としてどのように取り組んでいくのか、福祉子どもみらい局長の所見を伺いました。

福祉子どもみらい局長答弁

家族のあり方が多様化し、地域のつながりが希薄化する中で、多世代が交流する多機能な福祉拠点は、ともに生き支え合う地域づくりに大変重要です。

県では先日、高齢者施設や障害児入所施設などの複合施設を設置し、高齢者や子どもなどが「ごちゃ混ぜ」に暮らすということをキーワードに活動している他県の有名な事業者を「当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会」に、講師としてお招きし、お話を伺いました。 

また、県内でも、同一敷地内に高齢者のデイサービスと保育所を設置し、日常的に高齢者と子どもが交流している例もあります。  

さらに、認知症グループホームの隣に誰でも利用できる食堂や駄菓子屋などを設置して、地域の交流拠点となっているところもあります。

こうした多世代にわたる様々な方の交流拠点は、高齢者の認知機能や要介護度の維持・改善、子どもの発達への好影響など、様々な効果があると伺っていますが、比較的新しい取組みであるため、その状況は十分把握されていません。

そこで県では、県内で多世代交流を行っている施設の調査を行い、その内容や効果など、実態を把握し、調査結果を分かりやすく事例集などに取りまとめ、高齢者施設や市町村等と共有していきます。

県としては、多世代交流が可能な福祉拠点など、新たな取組をしっかり学び、その良い点を広げることで、ともに生き、支え合う地域づくりを進めていくとの答弁でした。

多世代交流の事例集を取りまとめてる、県内の事例を把握するという答弁を得ました。

多機能型福祉拠点を進めるにあたって、補助金の審査などが高齢福祉、障がいの種別と、行政が縦割り的であることで、なかなか理解を得られず苦労した、共生という点から一体的な利用や効果に対して理解をしてほしいという声を聞いています。

また多世代交流については医学的なアプローチについても十分まだ深められていないとも聞いています。
こうした拠点が地域で果たす役割について県でも十分注視して、今後の県での展開につなげていただくことを求めました。

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