令和4年

② アドベンチャーツーリズム等の推進【令和4年第1回定例会】

会議日:令和4年2月24日

(2)アドベンチャーツーリズム等の推進

圧倒的な感染力を持つオミクロン株の台頭により、明るい光が見え始めていた観光産業も、再び厳しい状況に直面しています。

新型コロナウイルス感染症の影響は、観光のあり方にも及んでおり、主要な観光地に多くの旅行者が訪れる従来型の観光から、旅行者の志向は、「少人数」、「マイカーで行ける場所」、「自然の中を楽しむ」等にシフトしています。

こうした中、観光庁では、自然・文化といった我が国の豊富な地域資源を観光コンテンツとして活用し、日本の本質を深く体験・体感できるアドベンチャーツーリズムを推進しています。

アドベンチャーツーリズムとは「自然」、「アクティビティ」、「文化体験」の3要素のうち2つ以上で構成される旅行を指します。

アドベンチャーツーリズムの旅行者は、旅行を通じて自分自身の変化や視野の拡大、学び等を得ることを目的としており、地域の個々の質の高いコンテンツや、旅行者それぞれの興味・関心に応じたテーマ・ストーリー性のある滞在プランなど、その地域ならではの体験を求めているのが特徴です。

※観光庁「アドベンチャーツーリズム 本質的課題解決への事例集」より

本県は、首都圏から近い立地の中に丹沢・箱根の山々から、相模湾などの海や川、ダム湖を有しており、愛川町・清川村も自然に恵まれたエリアを有しています。

ウィズコロナ時代において、観光においても密集を回避した旅行形態への変化が求められる中、アドベンチャーツーリズムは、密を避けつつ、自然・文化といった地域資源の活用を図るものであり、1人当たりの消費額が多く、海外での市場規模が非常に多いことから、国内外の観光客の消費額の増加や満足度の向上につながることが期待されます。

県では、新型コロナウイルス感染症の観光への影響について現時点でその全体像を把握できないことから、観光振興計画の見直しに係る検討を延期していますが、コロナの収束が見通せない中であっても、こうした旅行形態を検討するなど、すそ野が広く地域経済に大きな影響を与える観光産業を後押ししていくことが必要です。

そこでアドベンチャーツーリズムを含め、地域資源を活用した観光客の消費額増加や満足度向上につながる取組みを推進すべきと考え、知事に見解を伺いました。

知事答弁

本県は、首都圏にありながら、歴史的・文化的な地域資源だけでなく、丹沢の山々をはじめとした豊かな自然環境を有しており、アドベンチャーツーリズムを幅広く展開できる絶好の環境にあり、今後は、アドベンチャーツーリズムを一層推進していきたいと考えています。

具体的には、パラグライダー体験と近隣の酒蔵体験を組み合わせたコースなど、これまで発掘・磨き上げを行ってきた観光資源を活用した魅力的なアドベンチャーツーリズムのモデルコースを作成し、情報発信します。

また、観光客受入環境整備費補助金を拡充し、アドベンチャーツーリズムを含めた新たな観光コンテンツを開発する民間事業者の支援を行います。

さらに、コンテンツの魅力をより深く知りたいという観光客の気持ちにも応えられるよう、専門性の高いガイド人材の育成・認定にも取り組みます。

こうした取組により、本県が有する観光資源を活用し、観光客の満足度を高めるとともに、観光消費額の向上につなげ、地域経済の活性化を図っていくと前向きな答弁を得ました。

アドベンチャーツーリズムは、地域資源をより深く掘り起こすきっかけになります。

モデルコースの策定に取り組むという話もあり、県内の潜在力を、ぜひ掘り起こしていただきたいと思います。

また、北海道では昨年ウェブ上でアドベンチャーツーリズムのサミットが行われ、来年2023年に現地においてでも行われると聞いています。

県外、国外の動向もしっかりと情報収集に努めていただくことを求めました。

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