令和4年

⑤ 教師不足の実態と解消【令和4年第2回定例会】

会議日:令和4年6月20日

文部科学省㏋より

昨年度、国が全国の教師不足に関する実態調査が行い、本県の教師不足の実態についても明らかになりました。

この調査結果によると、神奈川県では令和3年5月1日時点で、小学校で45人、中学校で27人の教師不足が生じている状況でした。

国の分析では教師不足の要因として、産休や育休の取得者数が増えたことや、特別支援学級が増加していることにより、必要となる臨時的任用教員の数が増加したことなどが指摘されており、臨時的任用教員のなり手を確保するための対策を講じていく必要があると考えます。

他にも、この調査によれば、中学校では家庭科などの特定の教科で不足が発生していることがわかります。

私の地元でも、中学校においてある教科で臨時的任用教員がみつからなかったために、自分の担当する教科以外の授業を担当することになり、業務が増えたという声を聞いており、教師が教科ごとに適正に配置されていないことにより負担が増えている事例があるとも聞いております。

こうした教師不足の状況に対し、県教育委員会では、あらゆる機会を捉えて教師の確保に取り組んでいることは承知していますが、教師の不足は現場で働く教師の負担を増大させるものであり、働き方改革の観点から、また、なにより、子どもの教育を受ける権利の保障の観点からも、その解消は喫緊の課題であることから、教師不足の状況が生み出す現場の負担などの構造を分析し、教師確保の取組をさらに進め、不足の解消につなげるべきと考えます。

そこで、県教育委員会では教師不足の実態や影響をどのように考えているのか。

また、他の教科と比べて特に不足が生じている教科があるという現状に対して、どのように取り組んでいくのか、教育長に見解を伺いました。

教育長答弁

昨年度、国が実施した教師不足に関する実態調査では、本県も含めて、全国的に教師不足が生じている状況が明らかになりました。また、今年度、県が行った調査では、国の調査よりも小学校では31人、中学校では11人、さらに教師不足の数が増えています。

 県教育委員会ではこれまでも、教員採用試験の受験者に、臨時的任用教員の登録を呼びかけるほか、教育現場を長く離れている方などを対象に、ペーパーティーチャー研修を実施し、人材の確保に努めてきました。

ペーパーティーチャー研修講座(教員免許状保持者研修)

こうした取組により、子どもたちの学びに影響が生じないよう努めていますが、特に中学校の美術、技術、家庭科など、教員免許所有者が少ない教科では、臨時的任用教員の不足が大きな課題になっています。

そこで県教育委員会では、採用試験の倍率が低い教科の免許を取得できる大学を個別に訪問し、試験の受験や臨時的任用教員の登録を、これまで以上に働きかけていきます。こうした中、国の中央教育審議会では、採用試験の早期化など、教師確保に向けた新たな方策について、この夏を目途に議論を進めています。

県教育委員会としては、こうした国の動きも見据えながら、引き続き、様々な工夫を図り、教師不足の解消に粘り強く取り組んでまいります。

再質問

教師不足の解消には全国的な制度の見直しなど国の取組みも必要です。
県教育委員会として国に強く働きかける必要があると考え、教育長の見解を伺いました。

教育長再質問答弁

教師不足の解消には、教員の給与制度の見直しなど、国による財政措置が不可欠です。

そのため、県教育委員会では、全国都道府県教育委員会連合会を通じて、教師不足の解消に向け、国による一層の支援について強く要望をしています。

要望

教師不足は、私も教員をかつて目指した身として関心がある課題です。

様々な答弁がありましたが、今回、国の発表も含め、県教育委員会として分析された点が非常に多くあると思います。欠員が生じるタイミングや教科など傾向が掴めているはずです。こうしたことをしっかりと分析し、市町村の教育委員会や、現場の先生ともしっかりと共有して頂きたいと思います。

あらゆる方法を用いて教師不足の改善に向けて取り組むことを求めました。
現場では欠員が出ている教科の先生に対し電話がけをされているお話なども聞いています。
現場の先生の負担が少しでも無くなるよう、県として引き続き取り組むことを求めました。

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