令和4年

⑤ 中津川における様々な主体と連携した河川環境の維持【令和4年第3回定例会】

会議日:令和4年9月19日

愛川町や清川村を流れ、相模川の支流の一つである中津川は、 かつて大きな巨岩が目を引く石小屋という景勝地を有し、その下流では石ころが転がり、河川敷の景観が目を引く景観がありました。

今では宮ヶ瀬ダム建設により、水がめや、下流域の安全を確保している役割を果たしていますが、河川の上下流の景観は大きく変化しています。夏にはいたる所で子どもが川遊びをする景色が見られ、そうした様子は年々変化し、私も変貌していく中津川の景観を見続けてきました。

こうした景観の変化を、今の子ども達は知らず、今後地元では語り継いでいきたいと思っています。

最近では、コロナ禍におけるアウトドアレジャー人気の高まりや、圏央道の開通に伴う交通アクセスの向上などにより、県内外からキャンプやバーベキューを目的に多くの人々が訪れ、休日にもなると、大変な賑わいを見せています。

このように、多くの人々に訪れていただくことは、地域の活性化に繋がる一方で、河川敷を利用する人の中には、ゴミを不法に投棄する人もおり、また、冬季に焚火が枯草に燃え移る火災が発生するなど、地元としてもその対応に大変苦慮しています。

こうした中、愛川町では今年5月から8月にかけて、利用者に「自分ごと」として河川美化意識を高めてもらうために、田代運動公園近くの河川敷付近に「環境美化協力金募金箱」を試行的に設置したところ、多くの利用者からご協力をいただけたと聞いています。

また、河川敷でキャンプを行う利用者が、自主的に清掃の呼び掛けを実践する動きも出てきており、私としても大変ありがたく思うとともに、一過性のものではなく、持続的な取組みに育ってほしいと願っています。

県においても、中津川における良好な河川環境を維持するため、河川敷の除草や美化清掃などに取り組んでいることは承知していますが、河川利用者による自主的な取組が始まっていることや、中津川での利用実態を踏まえると、様々な主体と連携して取り組んでいく必要があると考えています。

そこで、河川敷の除草や美化清掃など、中津川における様々な主体と連携した河川環境の維持について、どのように取り組んでいくのか、県土整備局長に見解を伺いました。

県土整備局長答弁

中津川は、首都圏の中でも豊かな自然が多く残されており、その広大なエリアの良好な環境を維持していくためには、県だけでなく、様々な主体と連携して、取組を進めることが有効です。

県では、継続的に河川の除草や美化清掃を行うとともに、令和元年度からは、ドローンを活用し不法投棄を発見するスカイパトロールを行っており、地元市町と情報共有し、ごみの回収に繋げています。

また、地域と連携した取組として、除草や美化清掃を、地元自治会等に委託する制度を設けており、地域に親しまれている中津川では、近年、関心を持つ団体が増え、現在、10団体にご参加いただいています。

県HPはこちら

こうした取組により、一定の成果を上げてきましたが、中津川を引き続き良好に管理していくためには、地域の方々だけでなく、遠方から訪れる方々にも環境への意識をもっていただき、自主的な清掃やゴミの持ち帰りといった美化活動への積極的な参加を呼びかけていく必要があります。

そこで、県内外からの河川利用者に向けて、河川の利用が多い箇所に、美化活動を紹介する看板を、新たに設置するとともに、近傍にある高速道路のパーキングエリアなどで、デジタルサイネージによる広報を行います。

また、昨年度から始めたツイッターによるお知らせに加え、新たに、今年3月に開設された、LINE公式アカウント、かながわプラごみゼロ情報を通じ、清掃に取り組む団体の活動を紹介し、美化活動への自主的な参加に繋げていきます。

こうした取組みを継続的に行い、様々な多くの主体と連携して、貴重な地域資源である中津川の河川環境の維持に努めてまいります。

要望

質問ではあまり触れませんでしたが、樹林化の問題があります。

県もさまざまな対策をしていることは承知していますが、予算措置が必要な工事は、毎年できる量が限られてしまうため再び元に戻ってしまうところも課題としてあります。
こういった点について、更なる工夫が必要ではないかと思います。

例えば、地元団体と協働して河川空間の利用を促すことで、樹林化を止めたり遅らせたりする取組みを、国の出先機関が岡山県などで実施して効果を上げている河川もあると伺っています。
これは中津川に限りませんが、こういった様々な主体を巻き込みながら、樹林化をより抑制する策を県に求めました。

県道伊勢原津久井・古在家バイパスⅠ期区間

清川村は、村全域が「丹沢大山国定公園」及び「神奈川県立自然公園」に指定されており、緑豊かな自然、清らかな渓流、四季折々の美しい景観を楽しむことができる、首都圏の身近なレジャースポットとなっています。

平成12年に宮ヶ瀬ダムが完成してからは、ダムの「観光放流」や「ナイト放流」、「日本最大級のジャンボクリスマスツリー」など、魅力あふれるイベントが数多く開催されており、テレビや雑誌などで紹介されていることもあって、宮ヶ瀬湖周辺には、コロナ禍でも昨年、約240万人もの観光客が訪れています。

また、平成27年に誕生した「道の駅/清川」は、村の特産物や地場の野菜に人気があり、その訪問客数は年々増加を続け、今では村の主要な観光地になるまで成長しました。

一方、これら清川村の主要な観光地を繋いでいる県道/伊勢原津久井は、道路の幅員が狭い上に、カーブが急で見通しも悪いため、観光バス等の大型車両のすれ違いが難しい箇所があります。
また、歩道が未整備な区間もあり、歩行者が安心して通行できるよう道路を整備することが求められています。

県は、こうした課題に対応するため、清川村煤ケ谷の古在家地区において新たなバイパスとして「古在家バイパスⅠ期区間」の整備を進めており、この道路の整備を常々現地を見ている中で、工事が日々進捗していることを確認しています。

その際、地域の方々から伺ったお話では、バイパス整備により生活道路となっている現道の交通量が減少することで、安心して歩けるようになるなど、静かな生活環境が確保されるといった沿道住民の期待もあります。これまでも長らく工事が行われてきましたが、県は早期開通に向け、しっかりと工事を進めていく必要があります。

そこで、県道伊勢原津久井・古在家バイパスⅠ期区間のこれまでの取組状況と、今後の見通しについて県土整備局長に伺いました。

県土整備局長答弁

県道伊勢原津久井は、伊勢原市を起点とし、清川村の中心部を通って、相模原市緑区へ至る路線で、地域の生活や宮ヶ瀬湖の周辺観光などに、重要な役割を担っています。

このうち、清川村中心部の村役場北側に位置する古在家地区では、住宅が建ち並んでおり、道路幅員が狭く歩道もないことから、車両や歩行者の安全な通行の確保が課題となっていました。

そこで、県は、古在家地区の通行の円滑化や安全性の向上を図り、災害時の代替路を確保するため、新たなバイパス道路を計画し、このうち、平成17年度に第Ⅰ期区間、延長約0.8キロメートルの事業に着手しました。

地元への事業説明や、地権者から貴重な土地をお譲りいただくにあたっては、村の積極的なご協力を得ながら、精力的に事業を進め、これまでに沢を跨ぐ3つの橋梁なども完成し、あとわずかな工事を残すのみとなりました。

第Ⅰ期区間が完成すれば、観光を目的とする車両の多くはバイパスを通行することになりますので、現在の道路は、生活に密着した車の利用が中心となり、この地域の交通の安全性は格段に向上します。

今後、第Ⅰ期区間が現道に接続する交差点の改良工事や、照明灯の設置、舗装などの工事を同時並行で進めていくことになりますが、綿密な調整を図りながら、円滑に工事を進め、令和4年度内の第Ⅰ期区間の供用を目指します。

要望

この質問を調べている最中、県のホームページで今後3年以内に供用が見込まれる主な路線というページがありましたが、ここに古在家バイパスのⅠ期区間というのが入っていませんでした。何か事情あるのかもしれませんが、載せていただくことを求めました。

また、周辺の道路状況を見ていきますと、今後も厚木秦野道路の開通など、道路需要の変化があると思います。

開通した際、この道路の整備効果等を把握できるようになれば、公開をしていただくことを求めました。

また、古在家バイパスの完成によってさまざまな変化が起きてくると思いますが、交通事情が変わってくれば、前後の沿道でも事故、交通安全の対策など新たな課題が出てくると思います。今後も、沿道や村とも協議をしながら、取り組むことを求めました。

※2023.3.31Ⅰ期区間が開通!

古在家地区の安全性向上や災害時における代替路確保が期待されます!

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