会議日:令和4年10月3日【文教常任委員会】
※「新しい時代の学びを実現する学校施設の在り⽅について」 最終報告【概要】より
新しい時代の学びを実現する学校施設の在り方として公共施設との複合化が示されています
地域と学校の関係の中で、校舎の開放など地域に開かれた取組みがあることから、建物のハード面について、県立高校での学校と図書館、福祉施設など他の公共施設との複合化の事例はあるのか質疑しました。
県立学校において建設当初から学校以外の施設と合築し複合化した事例はありませんが、県立綾瀬西高校において平成12年度より校舎の一部を綾瀬市がデイサービスセンターとして使用している事例があります。
当時当該校では学校施設に余裕があったことに加え、普通科の専門コースとして福祉教養コースが設置されていました。市のサービスセンターを受け入れることが生徒の体験的な学習を行う場として教育活動に寄与することや、ボランティア活動等の体験や高齢者との交流が期待されることが考えられたことから綾瀬市の要請を受け入れたものです。
県立学校の複合化については今後どのように考えているのか
現在県立学校については、令和9年度までを計画期間とする新まなびや計画に基づき耐震化工事など安全確保と快適で安心できる学習環境の整備を進めている
学校施設の複合化については、建替え等のタイミングに検討するものと考えており、今後施設の老朽化に伴い建替え等を行う際に地元市町などから複合化の要望があれば学習環境の確保や複合化による効果等を整理し、検討していく
まなびや計画ということで道半ばという風にも思います。
今後は市町の要望などに対して検討していくということですが、コミュニティスクールの展開も見据え、学校施設がコミュニティの中核をつくるという考えもあることから、ぜひ複合化を視野に入れていただくことを求めました。
※県立高校改革実施計画(3期)(令和4年10月策定)より
県立高校改革実施計画の中で、コミュニティスクールについて計画に位置付けた経緯は
平成27年1月に県立高校改革の基本的な方針を定める県立高校改革基本計画を策定し、その中で人口減少社会における学校教育の役割なども検討して、県立高校として地域とともにある学校づくりを進めるために、学校と保護者、地域の住民等がともに知恵を出し合い、学校運営に意見を反映させるコミュニティスクールを位置付けた
これを受け平成28年1月に策定した県立高校改革実施計画全体においても、地域協働による学校運営の推進の取組のひとつとしてコミュニティスクールの導入を位置付けた
県立高校全校でコミュニティスクールの導入を図り、学校ごとにもいろいろな進捗があると思うが、再編統合をされるとそういったコミュニティスクールや地域学校協働の活動など、学校単位で地域を巻き込んだコミュニティの場がなくなってしまうのではという疑問がある
このあたりはどのように考えているのか、また、このコミュニティスクールの取組みが学校運営協議会の仕組みの中で再編統合によって新校の中にどのように引き継がれていくのか
再編統合の取組みにおいて、それぞれの学校で取り組まれている地域との関係性、そうした協働事業については、原則両校間で協議し、そうした取組みを含めて基本的には新校に引継いでいくという考え方をしている
ただし実際問題として、やはり再編統合区間の距離が大きく離れてしまうとなかなか地理的な面でそうした交流や、時間的な問題費用の負担というのがあると思う
そういったことができるだけ起きないように、再編統合の考え方の中で学校を核とした地域づくりの視点についてはしっかりと検討し、再編統合の組み合わせを考える際には両校間の距離なども重視して慎重に検討していきたい
意見
今回示された県立高校改革実施計画という中では、大井町の高校が再編統合の対象ということです。私の地元の愛川町では1校だけですので強い関心がありました。
再編の流れと、コミュニティスクールで地域と学校の関係をつくっていく流れは逆流していると考えています。
維持管理の面などさまざまな理由から一定の理解はしますが、一方でコミュニティスクールの推進をしておいて学校がなくなってしまうというのは地域信条として難しいものもすごくあると思います。
先ほど施設の話もしましたが、規模を縮小して他の施設との複合化を図り、施設を残すなど、地域にとって学校を残すという視点からも選択の幅、可能性というのも今後検討することを求めました。
文教常任委員会の様子は、県HPから録画映像をご覧いただけます。
https://kanagawa-pref.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=2878