令和5年

③ 高病原性鳥インフルエンザ対策について【令和5年第3回定例会】

会議日:令和5年9月19日【一般質問】

高病原性鳥インフルエンザ対策について

高病原性鳥インフルエンザは、近年、欧州や北米でも大発生をしており、国内には、毎年、北方から越冬のために飛来する渡り鳥によってウイルスが持ち込まれ、感染した渡り鳥と接触した野鳥等が農場内に侵入することで、農場での発生リスクを高めると言われています。

発生を防止するためには、日頃から、こうした野鳥等の農場への侵入を防ぐための取組を徹底することが極めて重要であると思います。

令和4年シーズンは、国内の農場での感染がこれまでで最も早く確認され、令和4年10月28日から令和5年4月7日までに26道県で84事例となり、全国の飼養羽数の1割を超える約1,771万羽が処分の対象となりました。

特に、大規模の採卵鶏農場において複数の農場で発生したことから、鶏卵の需給に影響を与える事態となりました。

農場において、たとえ1羽でも発生が確認されれば、飼養している全羽数を処分しなければならず、その影響はその飼養規模に従って大きくなります。

  

このことから、国は、一つの農場を平時から施設面、管理面において完全に分け、分割した後の区域をそれぞれ別農場として取り扱う分割管理の考え方を示し、発生時に処分する鶏の範囲を限定することが可能であるとしました。

農林水産省HP

ひとたび農場で高病原性鳥インフルエンザが発生すれば、処分の対象となる農場だけでなく、地域社会や経済に与える影響は計り知れません。

私の地元の愛川町には、県内の飼養羽数の6割を超す大規模農場があることから、この分割管理に対する養鶏農家、地域住民の関心も高くなっております。

そこで、高病原性鳥インフルエンザの大規模農場における分割管理について、県としてどのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺いました。

知事答弁

近年、世界的に高病原性鳥インフルエンザが発生し、県内でも、令和4年9月に続いて、令和5年3月にも野鳥の感染が確認されています。一方で、県内農場での発生は確認されていませんが、引き続き最大限の警戒が必要な状況です。

農場にウイルスの侵入を許し、高病原性インフルエンザが発生すると、作業員や車両を介して既に感染が広がっているおそれがあるため、農場内の鶏は全て処分の対象となってきました。

そうした中、国は大規模農場での発生が相次ぎ、処分した鶏の数が過去最高となった令和4年シーズンの状況を踏まえ、一つの農場を複数の衛生管理区域に分け、別農場として取り扱う分割管理の考え方を示しました。

この分割管理を導入することで、処分の対象を発生した区域だけに限定することができます。また、導入の過程で、作業員の衛生管理に対する意識向上が図られ、結果的にウイルスの侵入防止対策の強化につながる効果も期待できます。

そこで、本県においても、60万羽を超える鶏を飼養している県内の大規模農場において、早急に分割管理を導入していく必要があります。そこで、現在、県は、大規模農場に対し、分割する区域の設定や車両消毒の徹底、他の区域と交わらない作業動線などについてきめ細かい助言・指導を進めています。あわせて、区域ごとに設置すべき柵や消毒施設の整備への支援も行っています。

さらに、分割管理の導入後も区域ごとの管理が適切に行われているか、定期的に農場の衛生管理の状況を確認していきます。

県では、渡り鳥の飛来が始まるこの秋を見据えた分割管理導入を積極的に支援することで、大規模農場の高病原性鳥インフルエンザ対策に万全を期してまいります。

意見

高病原性鳥インフルエンザが一たび発生すれば、発生農場、そして地域社会にも非常に甚大な被害をもたらし、そして、経営の再開までは道のりが非常に厳しいと感じています。

発生を防ぐために引き続き衛生管理の強化を図り、発生予防に取り組むとともに、発生した際の影響の緩和を図るために、適切な分割管理がなされるように必要な指導、支援を求めたいと思います。

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