会議日:令和5年9月19日【一般質問】
宮ヶ瀬湖周辺地域における交通実証実験について
私の地元である宮ヶ瀬湖の周辺地域は、県の水源地域として多くの来訪者が訪れています。湖畔園地やダムサイト、県立あいかわ公園など観光拠点が点在しているものの、交通機関で周辺を回る手段が限られており、1地点のみの観光にならざるを得ない状況となっています。
政策局提供
この状況を改善するために、県は令和4年度から3年間の計画で、宮ヶ瀬湖周辺地域に適した新しい交通手段を検討する交通実証実験に取り組んでいると承知しており、令和4年第1回定例会の本会議や予算委員会において、取組の内容や今後の取組について伺い、私としても、この宮ヶ瀬地域を県民はじめ、水源地の役割を観光を兼ねつつ見ていただく手段として、何としても運行につなげたいという思いもあり、呼びかけを行ったところです。
この交通実証実験の内容としては、スマートフォンなどのアプリ上で予約を行い、指定した時間に乗降ポイントでの乗車・下車が可能になり、乗客が予約する場所によって効率的なルートを選択するAIオンデマンドバスの運行であり、私も操作をしてみましたが、アプリになかなかアクセスできず、乗車することができなかったり、登山者や地元の方への周知が行き渡っていないなどの声も寄せられるなど、広報や運用に課題があるとも感じられました。
また、このAIオンデマンド交通の事例を全国に目を向けてみると、100を超える地域で導入されているとの調査もあり、多くは実証運行の段階ですが、長崎県や長野県など本格運行へと移行する地域も増えている一方、本格運行に至らない地域もあると伺っています。
県の実証実験は、今年度が計画の中間年となり、取組をスタートさせて見えてきたものもあると思いますが、コロナ後の観光が再開される中、本格運行につなげるためにも、昨年の課題を分析し、今年度の実証実験にもしっかりと取り組む必要があります。
そこで、宮ヶ瀬湖周辺地域における交通実証実験について、令和4年度の成果と課題について、政策局長に見解を伺いました。また、課題などを踏まえて、宮ヶ瀬湖周辺地域の活性化に向けて、令和5年度の交通実証実験にどのように取り組んでいくのか、併せて伺いました。
政策局長 答弁
宮ヶ瀬湖周辺地域は魅力的な観光スポットが点在しており、水源地域のさらなる活性化を図るためには、地域の周遊性を高めていくことが重要です。
このため、県では、宮ヶ瀬ダム周辺振興財団や地元市町村等と連携しながら、国の交付金を活用し、令和4年度から、AIオンデマンドバスによる交通実証実験に取り組んでいます。
昨年度は10月から11月の土日・祝日の計16日間運行し、延べ526名の利用があり、利用者の方々からは、簡単で快適だった、便利だった、本格運行を期待しているなど、御好評を頂きました。
また、自家用車がなく、これまで宮ヶ瀬湖来訪を諦めていた方からは、観光スポットを巡れてよかったといった声もあり、周辺観光に一定の需要があることも分かりました。
一方、スマホアプリによる予約方法としたため、高齢者の方等から操作が難しいとの声や、鉄道駅からのアクセス向上を求める御意見を頂きました。
このほか、今後、自走化に向けた採算性や、宮ヶ瀬湖周辺地域の観光資源のさらなる磨き上げも課題であることが改めて確認できました。
そこで、今年度は、新たに最寄りの本厚木駅から直行シャトルバスの運行やAIオンデマンドバスの電話予約を行うとともに、乗降ポイント見直しによる運行の効率化を図るほか、財団が主催するイベントと連携し、来訪客の増加につなげていきたいと考えています。
県としては今後も、財団や地元市町村、民間企業等と連携しながら、地域の周遊性や魅力を高める取組を推進し、宮ヶ瀬湖周辺地域のさらなる活性化を図ってまいります。
意見
この宮ヶ瀬周辺の周遊性というのは長く課題になっておりますけれども、将来リニアの開発などもこの地域はありますので、この周辺の交通事情が変化することも考えられると思います。
現在の実験や運行に向けた取組は、非常に重要な取組になります。また、現在コロナ禍も明けてまいりまして、この愛川町の半原地域は飲食店も増えてきています。また、バスの拠点が乗降ポイントがあります牧場もありますが、ここでも今、6次産業化の拠点が進んでいるとも聞いていますし、半原地域は水源地の周辺のまちづくりを活性化させようという動きも聞いています。こういった民間の動きにもしっかりと連携して、この宮ヶ瀬地域の活性化につなげていただきたいというふうに思います。