会議日:令和6年3月7日【建設・企業常任委員会】
電気事業における脱炭素社会の実現に向けた取組み
県営電気事業では、再生可能エネルギーである水力発電、太陽光発電の電気を、小売電気事業者を通じて供給するとともに、再生可能エネルギーの普及啓発のために、さまざまな方法の取組みを行っていると承知しています。
そこで、今回報告された神奈川県電気・ダム管理事業計画(案)の中で、脱炭素社会の実現に向けた取組みに関して何点か伺います。
出典:令和6年第1回神奈川県議会定例会「建設・企業常任委員会資料(令和6年2月27日付託分)企業庁」https://www.pref.kanagawa.jp/documents/107835/04_0301_iinkaisiryou_kigyou.pdf
初めに、脱炭素社会の実現に向けた取組みにおける卒FIT太陽光発電所の電力をためる技術の活用について、取組みの目的と内容について伺います。
電力をためる技術の活用については、再生可能エネルギーの導入が進むに連れ、関東エリアにおいても、太陽光発電や風力発電などの発電を抑制する出力制御が行われることが想定されています。また、固定価格買取制度のFIT適用期間が終了しますと買取価格が安くなります。
このようなことから、太陽光発電所の効果的な活用を目的として、蓄電池等を導入し、出力制御が行われないような電気の需要が少ないときに、太陽光で発電した電気をあげてしまって、電気の需要が多い、価格が高いときに売電するなど、新たな活用方法について技術検討を行っていくような取組みとなっています。
FIT終了後に電気の買取価格が安くなるということですけれども、FIT適用期間中と期間終了後を比較して、収入に与える影響というのはどの程度あるものなのか、伺います。
制度適用期間中であります令和6年度の収入の見込みとしまして、愛川太陽光発電所で年間約8,000万円、谷ケ原太陽光発電所で年間3,700万円となり、合計で約1億1,700万円の収入を見込んでいるところです。制度終了後の売電収入は、おおよそ4分の1程度の3,000万円程度となり、約9,000万円の減少と想定されています。
出典:神奈川電気・ダム管理事業計画
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/e4b/denki-keiei.html
FITが終わってしまうと、かなり安くなってしまうと印象を抱きましたけれども、電気事業において、再生可能エネルギーである太陽光発電所の電気の効果的な活用法を検討することは非常にいいことだなと思います。
次に、国や県が目指す脱炭素社会の実現に向けて、再生可能エネルギーの普及啓発というのも重要です。県民に身近に感じて理解を深めてもらうことも必要と考えますけれども、発電施設を利用した広報の取組みについて伺います。
これまでは、愛川太陽光発電所を中心として、愛川、津久井地域に点在します水力発電所など、再生可能エネルギー施設を結んだあいかわ・つくい次世代エネルギーパークを活用しまして、その施設を巡るバスツアーにより見学会等を実施しています。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により令和2年度から実施が見送られていましたが、令和6年度からは、この見学会等を再開することで今予定しています。
令和6年度からのあいかわ・つくい次世代エネルギーパークの見学会の再開ということですが、今後は、電気事業として「売っていく」というような意味合い感からも、従来の枠にとらわれない取組みがどうしても必要だと思いますが、新たな広報にはどのように取り組んでいくのか伺います。
令和6年度からは、次期の契約者のSBパワー株式会社が、神奈川県内の契約者に対しまして神奈川県内でSBパワー株式会社と契約している事業者に、県営水力の電力を供給するということをショートメールで告知するなど、ウェブサイトでコラム等を掲載しながら、親会社でありますソフトバンク社の通信事業の強みを生かしたPRを行っていくと伺っています。こうした取組みにより、県民への再生可能エネルギーに対する理解や、県営電気事業の理解が深まることを期待しているところです。
また、電気事業で行う見学会などにおいては、より理解が深まるよう、例えば子供を対象にした見学、または一般の方を対象にする見学など対象者を明確にすることにより、きめ細かい広報にも努めていきたいと考えています。
地元の愛川町では、そこに住む地域の方が正確にどこまで理解してるかなと思うと、疑問なところも多少ありまして、ぜひ地元との関わりという点を考えていただきたいと思っています。
電気の価値の向上を高めるという点では評価できますが、私は以前山梨の企業局を視察したことがあり、水素をためるという段階から、技術を海外に輸出するなど、そのような段階でまでやっていられるところもあるので、取組みとしては応援したいと思いますけれども、ぜひ着実に進めて、さらなる企業庁の価値を高める取組みにしていただきたいと思います。