令和6年

自然を活用した観光振興について【令和6年第1回定例会 予算委員会】

会議日:令和6年3月14日【予算委員会】

自然を活用した観光振興について

【1】 アドベンチャーツーリズムについて
【2】 宮ケ瀬湖の振興について(マイクリモビリティ、湖面活用)
【3】 スポーツツーリズムについて(サイクルツーリズム、アウトドアツーリズム)
【4】 林道の利活用について
【5】 データを活かした観光プロモーションについて(SNSや口コミ)

県央やまなみ地域では自然と都心との近さを活かした観光施策が不可欠。令和6年度当初予算で新規に計上されたアウトドアツーリズムの動向について県を質しました。
地元を回る中で意見をいただいた林道や湖面利用の在り方についても関連して質疑し、県の事業同士でしっかり連携していくことや、新たにはじめるSNSや口コミなど数値化されないデータを活かすよう求め、知事からも前向きな答弁がありました。
佐藤は自然豊かなやまなみ地域のポテンシャルを活かした観光振興を今後も進めていきます。

佐藤
けいすけ

本県は、湘南海岸に代表される海、丹沢の山々や河川、宮ヶ瀬湖をはじめとした湖など、豊かな自然に恵まれています。こうした地域の特徴を生かした観光施策の展開が求められると考えています。私の地元では、厚木市愛川町清川村、そして秦野市、伊勢原市とともに県央やまなみ地域として、広域観光圏の確立を目指し、地域の豊かな自然を生かした観光振興に取り組んでいるところです。

そこで、やまなみ地域を中心とした自然を活用した観光振興について何点か伺います。

【1】アドベンチャーツーリズムについて

佐藤
けいすけ

私は2022年の第1回定例会でアドベンチャーツーリズムの推進について知事に質問し、観光客受入環境整備費補助金を拡充して、アドベンチャーツーリズムを含めた新たな観光コンテンツを開発し、民間事業者の支援を行うと答弁をいただいています。

そこでまず初めに、観光客受入環境整備費補助金は、どのような補助金なのかを確認します。

●国土交通省観光庁HP「アドベンチャーツーリズムの推進」https://tinyurl.com/yme36d4b

●令和4年第1回定例会佐藤けいすけ一般質問
◆録画映像https://tinyurl.com/yqsh93nv
◆会議録https://tinyurl.com/ypow82qk

北見観光戦略担当課長

観光客受入環境整備費補助は、国内外の観光客が快適に滞在できる環境づくりを目的に、観光客の受入環境整備を行う民間事業者に対して補助を行うものです。具体的には、外国人観光客の周遊に資する受入環境整備事業として、外国人観光客向けのウェブサイト等多言語化対応、そしてトイレ整備等です。また、新たな観光需要への体制整備事業といたしまして、マイクロツーリズム、アドベンチャーツーリズム、そして観光DXの取組等を行う民間事業者に補助を行います。
●(参考)昨年度観光客受入環境整備費補助の案内HP
昨年は6月にページが公開され、7月から受付が開始されました。補助を受ける予定の方はスケジュール等の参考になさってください。https://tinyurl.com/ylxdrcam

佐藤
けいすけ

新たな観光需要喚起のために、当時はまだコロナ禍でしたが、今まさにインバウンドの活況ということで本県にも多くの外国人の方が訪れていると私自身も実感しています。こうした方がターゲットになると思いますが、その支援メニューについて少し聞きます。

令和5年度の補助金の金額や執行状況、そしてアドベンチャーツーリズムの申請件数などについて実績を確認します。

北見観光戦略担当課長

令和5年度は補助原資3,000万です。令和6年3月1日現在で補助対象事業に対する申請は81件で、交付決定金額は2,797万円となっています。
補助対象事業に対する申請のうち、アドベンチャーツーリズムに対する事業としては3件です。

佐藤
けいすけ

81件のうち3件がアドベンチャーツーリズムに対する事業ということですが、このアドベンチャーツーリズムと結びつけていく取組みですけれども、どのような地域でどう事業が行われているのか伺います。

北見観光戦略担当課長

令和5年度の補助対象事業の内容ですが、相模原市内において、山、森、川などの自然や神社を巡り、里山にある古民家にて瞑想を体験するコンテンツの開発、そして三浦市では、ペット連れで行ける観光スポットのモデルプランのコンテンツ開発、そして鎌倉市では、ハーブガーデン等を巡り、ハーブを蒸留し香りを取り出してクラフト作成をするコンテンツ開発、以上です。

佐藤
けいすけ

今、3市の事例を説明いただきました。私の地元である県央部ではまだ取組みはないということですが、アドベンチャーツーリズムは、そこでしか味わえない、自分を探究するようなストーリー性のあるものがコンテンツとして需要があり、県央部でもこういったものができてきましたので、事業の広報にも力を入れていただきたいと思います。

佐藤
けいすけ

次に、令和6年度は3,000余万円が計上されているということですが、どのような方向性で補助を実施していくのか伺います。

北見観光戦略担当課長

予算編成時に観光事業者の経営環境整備に関わるニーズについて聞き取りを行いました。補助メニュー等は令和5年度をベースに進めていくこととしており、補助対象メニューとして、アドベンチャーツーリズムに対する事業への補助も継続することを予定しています。
このように、今後も引き続き、観光事業者のニーズに基づき補助事業を実施してまいります。

佐藤
けいすけ

エリアの広がりや、さらなる幅広いコンテンツの開発に向けて、例えば地元の観光協会、旅行会社、地域活性化に取り組む団体などに対し、このアドベンチャーツーリズムの考え方を伝えていただき、地域が地域の資源に気づく、そして地域のコンテンツを磨き上げるきっかけともなるよう県も支援していただきたいと思います。

佐藤
けいすけ

続いて、観光客受入環境整備費補助以外で、県のアドベンチャーツーリズム関連の取組状況を伺います。

笹野観光プロモーション担当課長

県はこれまで、海外の富裕層を呼び込むため、高付加価値コンテンツを開発してまいりました。このコンテンツの中には、ガイドの案内で箱根旧街道を歩き、箱根寄木細工に触れるツアーなど、自然や文化体験等で構成されるアドベンチャーツーリズムの要素を盛り込んだツアーがあり、欧米の旅行者のニーズに合うため、イギリスやアメリカに設置している観光レップを通じてPRをしているところです。

また、外国語観光情報ウェブサイトでは、アドベンチャーツーリズムの特集ページを作成し、箱根や鎌倉などでできる自然や文化体験を動画で紹介しています。

●アドベンチャーツーリズムin神奈川 https://trip.pref.kanagawa.jp/feature/experience

佐藤
けいすけ

アドベンチャーツーリズムは、昨年北海道でワールドサミットが行われました。ほかの都道府県でも北米やヨーロッパの方々をターゲットにしていると思います。
観光レップについては県もイギリス等を追加するなど取り組んでいると思いますが、こうした海外に発信する場でも発信をお願いしたいと思います。

佐藤
けいすけ

続いて今、箱根というお話もありましたが、箱根町では2021年から国立公園のポテンシャルを上げるためにアドベンチャーツーリズムに取り組み、対応できるガイドを養成しているということで承知はしていますが、県によるガイド人材の養成状況を伺います。

笹野観光プロモーション担当課長

かながわ認定観光案内人認定事業は、自然や歴史、文化といった地域に根差した観光資源を活用して自ら魅力的な体験型ツアーを企画して、オンライン旅行サイトで販売する通訳ガイドを育成するものです。この認定観光案内人のツアーの中にも、大山詣りを体験するハイキングツアーなど、アドベンチャーツーリズムの要素を含むものがあります。

養成状況は、事業を開始した令和4年度は26名の方を認定し、令和8年度まで毎年20名程度の方を認定していきたいと考えています。

●かながわ認定観光案内人認定事業
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/b6m/cnt/ninteikankouannainin.html

佐藤
けいすけ

箱根も同様にガイド養成していますが、やはり30人以上が確認されています。本県では、令和8年まで約5年間の取組みの中で、今2年目だと思います。

そして、ガイド人材の養成状況ということでしたが、今度は活動状況について伺います。

笹野観光プロモーション担当課長

認定者に活動状況を確認したところ、ツアーを何度も催行できている方がいる一方、なかなか予約が入らないという方、本業が忙しく予約を受けにくい方など、様々な状況であることが分かりました。

そこで、今年度から認定者を対象としたフォローアップ研修を実施し、ガイド活動をいして行っていただけるよう支援しております。

佐藤
けいすけ

私もどういう方がガイドされているのかホームページで少し見ましたが、いろいろなツアーがあり、口コミ等でもいい反応もあるように思います。

ただその中で気になったのは、ガイド人材がいない地域というのもありますこのいない地域に関して、今後のガイド人材にどのように取り組んでいくのか伺います。

笹野観光プロモーション担当課長

かながわ認定観光案内人の養成は昨年度始めたばかりであるため、現状では認定観光案内人による体験型ツアーがないエリアがあります。今後、養成を継続し認定者を増やしていくことで、県内全域で認定観光案内人が活躍し、県内各地を対象とした体験型ツアーが企画、実施されるよう取り組んでまいります

佐藤
けいすけ

地域の偏在性がありますと、その地域の魅力を引き出す商品がないということにもなると思います。例えば、必ずその地域にはガイドがいるような仕組みを考えていただきたいと思います。

また、始まったばかりの事業だと思いますが、今国でもガイド人材が不足しているという話が上がっていると聞いています。この事業は、費用は小さいですが、大きな効果を上げる、県のアピールや観光資源の磨き上げにつながる取組みになると思います。このインバウンドを含めた誘客に資する取組みとして、やっていないと取りこぼすことになってしまうので、発信も含めてしっかりと取組むようをお願いします。

【2】 宮ケ瀬湖の振興について(マイクリモビリティ、湖面活用)

佐藤
けいすけ

次に、私の地元である宮ヶ瀬湖についてです。この宮ヶ瀬湖も自然の豊かな地域であり、自然を活用したり味わうために観光振興策が必要だと考えています。
来年度の当初予算が計上されていますので少し伺いますが、まずこの宮ヶ瀬湖周辺地域活性化推進事業費としてマイクロモビリティの予算が900万円計上されております。
今年度までにAIオンデマンドバスを活用した取組を進めていたと承知をしていますけれども、これまでの事業を転換していくのでしょうか。またその狙いは何なのか、併せて伺います。

加藤土地水資源対策
課長

県では、宮ヶ瀬湖周辺地域の周遊性向上を図るため、令和4年度から3か年計画で国の交付金を活用した交通実証実験に取り組んでいます。
初年度は、AIが複数の乗降地点間の最適な運行ルートを計算し効率的に配車するAIオンデマンドバスの運行、2年目はこれに加えて、最寄りの本厚木駅から直行バス、直行シャトルバスの運行による実験を行いました。利用者アンケートの結果、主要な観光拠点だけではなく、その他の拠点も自由かつ効率的に巡りたいという意見を約6割の方からいただきました。
このため、最終年の令和6年度は、小回りの利く電動キックボードやイーバイクといったマイクロモビリティを活用し、どの程度周遊性の向上に寄与するかなどを検証したいと考えています。

佐藤
けいすけ

イーバイクや電動キーボードを求める声があったということだと思いますが、私も、乗捨てなどができるようになるとすごく便利だと思っていましたし、途中で景色を見たり、いろいろニーズがあると思いますので、そこはぜひ進めていただきたいと思います。
この実証実験は、この宮ヶ瀬湖周辺の周辺活性化に資するものになるのか伺います。

加藤土地水資源対策
課長

宮ヶ瀬湖周辺地域は観光資源が広範に点在している上、既存の周遊手段も遊覧船など限定的であり、来訪者が一つの観光拠点にとどまるケースが多いため、来訪者数や観光消費額の増加につながっておらず、周遊性の向上が課題となっております。

このため、この実証実験を通じて、この地域に適した交通手段であるか、その安全性や採算性等も含めて検証し、将来的にはAIオンデマンドバスやマイクロモビリティなど、多様な交通手段を組み合わせることで来訪者の周遊性や利便性が向上し、宮ヶ瀬湖周辺地域の活性化につながるものと考えています。

佐藤
けいすけ

組合せをする可能性もあるということだと思いますので、ここはしっかりと考えていただきたいと思います。

続いて、宮ヶ瀬湖における釣りの実現可能性を探るための調査費として宮ヶ瀬湖湖面利用推進事業費が1,499万円計上されています。
宮ヶ瀬湖では、既にカヌーやスタンドアップパドルボート(サップ)が行われておりまして、コース、エリアが設定されていますけれども、この調査ではカヌーやサップの利用区域の拡大は想定しているのか伺います

加藤土地水資源対策
課長

宮ヶ瀬湖では遊覧船が運航しているほか、カヌーや漕艇、ボート競技のコースが設定され、コース上にはブイやワイヤーが設置されております。また、ダム付近は、施設管理上、湖面利用が制限されている区域があるほか、生態系の保護区域もあります。

この調査では、どの湖面エリアであれば釣り事業の可能性があるのかということも調査しますので、この調査結果を踏まえ、既存の湖面利用区域等との調整も検討します

佐藤
けいすけ

釣りの可能性以外にも、活性化としては検討できると思いますので、ここはぜひしていただきたいと思います。
また、宮ヶ瀬湖でも湖面利用のエリアを広げてほしいというお話はサップやカヌーをやっている方から聞きますので、こういった面もぜひお願いしたいと思います。

【3】 スポーツツーリズムについて(サイクルツーリズム、アウトドアツーリズム)

佐藤
けいすけ

続いて、スポーツツーリズム推進事業費です。この予算案に記載されているサイクルツーリズムの取組みの狙いや、今後の展開について伺います。

矢島スポーツ課長

本県では、スポーツを通じた地域活性化を目指してスポーツツーリズムを推進していますが、今年度はサイクルツーリズムに取り組んでおります。昨年12月には、観光情報と組み合わせたルートマップを作成し、パンフレットやアプリ等により情報発信を行いました。

●神奈川のサイクルツーリズム 
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/tz5/japanecotrack-33kanagawa.html

矢島スポーツ課長

来年度は、そうした情報発信の強化を図ってまいります。まず観光部門と連携しながら立ち寄りスポットや観光情報等を追加するなど、パンフレットやアプリ等の掲載情報をさらに充実させていきます。
そして、市町村や観光団体等と意見交換をしながらさまざまな団体にルートマップの活用を促すことで、神奈川のサイクルツーリズムに関する情報を広く発信し、県内各地でサイクリングを楽しめる方が増えていくように取り組んでまいります。

佐藤
けいすけ

サイクルツーリズムに関しては、私も一昨年愛媛県の事例を視察しました。愛媛県では他県との連携にしっかり取り組んでいるということですが、本県のマップを少し見ましても、やはり他県と連携していく必要もあると思います。東京圏から来られる方もいらっしゃいますので、ぜひお願いしたいと思います。

佐藤
けいすけ

続いて、このスポーツリズム推進事業費の中にはアウトドアスポーツツーリズムの推進ということでプロモーション素材を作成するとありますけれども、具体的にどのようなものなのか伺います。

矢島スポーツ課長

県では、庁内の関係部門や市町村、地域団体などと連携を図りながら、これまでサイクルツーリズムの取組を進めてまいりました。

今後は、サイクルツーリズムに加えて、アウトドアスポーツやアーバンスポーツといったさまざまなスポーツを視野に入れてスポーツツーリズムを展開することになりますので、取組みを効果的に進めていくためには、これまで以上にそうした団体や庁内の関係部門との連携を深めていく必要があります。

そこで、市町村などさまざまな団体が連携するために、昨年8月に立ち上げました神奈川スポーツプラットフォーム、こうした組織の中にスポーツツーリズムをテーマにした部会を設置して、そこで観光部門をはじめとした庁内の関係部門も参加しながら、市町村、地域団体等と意見交換を深め、さらなる連携を図ってまいります。

●かながわスポーツ・プラットフォーム https://www.pref.kanagawa.jp/docs/tz5/kanagawa_sports_platform.html

佐藤
けいすけ

今後、庁内の再編等もあると思います。しっかりと庁内の連携も含め、市町村との連携、団体との連携もお願いしたいと思います。

【4】 林道の利活用について

佐藤
けいすけ

次に、豊かな山々に囲まれたやまなみ地域では、登山道やハイキングコースもありますが、それ以外に多くの林道が設置をされており、この林道についても何点か確認をしておきます。

自転車などの軽車両などがこの林道などを活用することは、こういった観光振興にもつながると思いますが、この林道の設置目的について改めて確認します。

宮本緑政
部長

林道とは、森林管理や林業経営等を円滑に推進する目的のために設置された道路です。また、道路用地の買収は行わず、森林所有者からの土地使用承諾により設置されており、基本的には森林所有者の共同利用施設という性格のため、一般車両の通行などは想定されていない道路となっています。

佐藤
けいすけ

想定をされていないということだと思いますけれども、林道の設置目的については確認しましたが、一方で、予算案にも300万円ほど計上されておりますウオーキングイベントなど、活用事例があると承知しています。
そこで、林道を使ったイベントなど、利用する場合の考え方について伺います。

宮本緑政
部長

林道をイベント等で利用する場合で、徒歩のみでのウオーキングイベントなどに利用する場合には、森林管理や林業活動に支障がない範囲であれば、特に制限等は設けておりません。
一方で、自転車を含めた車両の通行を伴う場合には、イベントの計画の段階から、特に通行時の安全の確保の内容等について、主催者と丁寧な調整を行う必要があります。
その上で、事故発生時の責任の所在や、地域の自治体の協力は得られているのかなどの確認をした上で林道を利用していただくこととなります

佐藤
けいすけ

林道の活用に関しては、地元の自治体ですとか、地元の地域から、地域振興のために使用したいという要望もいただいています
県営林道の活用は、事例として山梨県のスポーツツーリズムで行っているということを承知しています。昨今、木材の価値を脱し得ないような状況や、森林空間の利用事例などが全国的にも広まってきている観点から、個々の林道ごとの検討というのもあり得ると思います。
また、そのイベントについても地元自治体の意向の中で、その責任の所在を明らかにした中では、対象や期間を限定して可能性があるとも考えます。
林道改良自体も非常に大きな予算が計上され、来年度は10億円ほどありますけれども、非常に多様な在り方があると思いますので、検討していただきたいと思います。

厚木市の林道

【5】 データを活かした観光プロモーションについて(SNSや口コミ)

佐藤
けいすけ

次に、観光プロモーションについて伺います。今回、SNSで口コミデータを新たに収集していくというようなことですけれども、今後のやまなみの地域のプロモーションにどのように活用していくのか伺います。

北見観光戦略担当課長

SNS等の口コミデータでは、観光コンテンツの評価、来訪利用等の定性的なデータを取得することができます。これらの定性データを人流データなどの定量的データとクロス分析することで、例えば観光客数が多い宮ヶ瀬ダムや服部牧場などの観光コンテンツの来訪利用や、やまなみ地域において今まで注目されなかった隠れた観光コンテンツの発掘など、これまで分からなかった観光客の傾向等を知ることができるようになります。一例ですが、清川村から宮ヶ瀬湖周辺の観光スポットを電動キックボードで周遊を促すための企画立案に当たり、周辺の観光スポットを含めた人流データ分析の依頼があったため、宮ヶ瀬湖周辺の人流データ等を分析したものをレポート形式で提供しました。人流が多かった服部牧場やオギノパン等のデータを提供し、電動キックボードを置く基地選定の参考に活用したと聞いています。
今後、より効果の高いプロモーションを行うために、こうした分析結果を活用し、さらなる観光振興を図ってまいります。

佐藤
けいすけ

今まで分からなかったような観光の属性ということで定性的なデータ、これは数値化ができない部分だと思いますけれども、こういったものが今後活用されていく余地があると思います。
観光地では、一般的に人流の少ない地域で、例えばゆっくり過ごすとか、自分なりに過ごすといったニーズがありますし、そういったものにぜひ注目をしていただきたいと思います。
また、昨日も民間のアプリの活用などの議論がありました。県よりも大きくデータを持っているところもあると考えられますので、しっかりと連携を模索していただきたいと思います。

佐藤
けいすけ

それでは最後に、今後やまなみ地域の観光振興についてどのように取り組んでいくのか、知事のご所見を伺います。

黒岩知事

やまなみ地域は、首都圏にありながら、丹沢の山々、相模川をはじめとした河川、水源ともなっている湖などの豊かな自然を有しており、交通アクセスのよさからも、アウトドアコンテンツを楽しむ絶好の環境にあります。
県はこれまで、こうしたやまなみ地域の魅力を観光情報ウェブサイトで発信するとともに、地域と連携してPRしてきました。
また、アドベンチャーツーリズムなどを含めた新たな観光需要に対応した商品開発に取り組む観光事業者に対する補助や、地域の自然や歴史文化をその背景まで含めて案内することができるガイド人材の育成に取り組んできました。
コロナ禍を経て、自然と触れ合うアウトドアコンテンツの人気が高まっている状況を踏まえ、本県の豊かな自然をこれまで以上に観光振興に生かしていくことは重要です。また、観光客の満足度や観光消費額を高めるためには、観光データの分析結果に基づく戦略的・効果的なプロモーションを行っていく必要があります。
そこで県は、観光スポットの人流データ等を地域のニーズに沿って分析し、地元市町村や観光協会等に提供するなど、観光データを活用することで地域の取組を支援するとともに、周遊を促進します。さらに、自然を楽しむことができるアウトドアスポーツツーリズムを地域の多様な関係者と連携して推進することで、スポーツを通じた地域活性化にも取り組んでいきます。
このように、やまなみ地域の特色である自然を活用した観光振興に取り組むことで、地域経済の活性化を図ってまいります。

佐藤
けいすけ

いろいろと取り組んでいただけるということで、お願いしたいと思います。

今回、アドベンチャーツーリズムやスポーツツーリズムなどの取組みの確認をしました。アドベンチャーツーリズムについては、北海道や九州、四国の各県でも、条例制定やガイド養成の仕組みが進んでいて、隣県では、東京や静岡でもまさに始まったばかりとも聞いています。

本県の自然を活用した観光振興というのは、インバウンドを含む誘客や周遊観光の新しい形として、本県の新たな需要やオーバーツーリズム策としても持続可能な観光の可能性につながると考えています。その取組みの中で、林道、湖面の利用などを一つの可能性として期待する声も地元にあり、私も、やまなみ地域は地域資源を観光のコンテンツにできるポテンシャルもあると考えます。

今後、部局間の連携をより一層取ることやSNSや口コミなどのデータ活用というのは非常に重要だと思いますので、このやまなみ地域の観光振興につながるよう、しっかりと支援をしていただくよう求めまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

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