令和6年

③神奈川県内水道5事業者が目指す水道システム再構築について【令和6年第2回定例会】

会議日:令和6年6月28日【建設・企業常任委員会】

神奈川県内水道5事業者が目指す水道システム再構築について

出典:5事業者の「水道システム再構築」の目標https://www.pref.kanagawa.jp/documents/78259/5zigyoumokuhyou.pdf

佐藤けいすけ

はじめに、「水道システムの再構築」の3つの取組みのうち、「上流取水の優先的利用」の取組内容について確認します。

計画課長

上流取水の優先的利用の取組みにつきましては、浄水場の統廃合に合わせて、取水する位置を下流から上流に移転していくものです。 このより上流の社家地点、沼本地点からの取水を優先的に活用することで、co2の排出量の削減ですとか停電時の断水リスクの低減、あるいは河川の水質事故のリスクの低減を図るものです。

佐藤けいすけ

上流取水によって脱炭素へ貢献したり、停電による断水リスク軽減や水質事故リスクを低減する理由を伺います。

計画課長

上流取水の優先的利用の取組みは、下流の取水を上流に移し高低差を利用して自然流下によりポンプの利用を減らすことができます。これにより停電による断水リスクの軽減を図るものです。このことで電気の使用量を減らしてco2の排出量を抑え、脱酸素への貢献も期待できると考えています。
また、工場などからの油類や化学物質の流出など河川の水質事故の発生リスクについては、下流の方が確率が高いということで、上流で取水することで、水質事故のリスクの軽減を図るものです。

取水から浄水場までの水位高低図
出典:5事業者の「施設整備計画」
https://www.pref.kanagawa.jp/documents/78259/keikaku.pdf

佐藤けいすけ

計画では、「上流取水の優先的利用」は、宮ヶ瀬ダム開発水を社家地点で利用する場合と、上流の沼本地点における取水を更に増量する場合があるとのことですが、この2つのケースの内容について伺います。

計画課長

まず、1つ目の宮ケ瀬開発水を社家地点で利用するケースは、宮ケ瀬などにより開発された水量の半分を現在暫定的に寒川地点で取水していますが、浄水場の統廃合に伴い、当初の計画通り、社家地点で必要な水量を取水するものです。
2つ目の沼本地点における取水をさらに増量するケースは、下流の寒川地点からの取水を廃止し、上流の沼本地点で増量して取水するもので、全国的にも前例がない取組みとなっています。

出典:5事業者の「施設整備計画」
https://www.pref.kanagawa.jp/documents/78259/keikaku.pdf

佐藤けいすけ

上流の沼本地点における取水の更なる増量については、前例がないということですが、今後どのように実現を目指していくのか伺います。

計画課長

上流で取水するケースについては、上流で多く取水できれば、脱炭素化や 停電断水リスクの軽減や水質事故の軽減の効果がさらに期待できるということで、先駆的な取り組みになりますが、既存のダム計画と異なる取水となるため多角的な視点での検証をしていく必要があります。実現に向けては、国と河川等に係る調整を進めていきます。

佐藤けいすけ

上流取水の優先的利用は、この電力使用量の削減とそれに 伴った脱炭素化にも繋がるので、非常に必要な取組みだと思います。いろんな河川に係る調整が取組の実現に向けては必要になると思いますけれども、先進的な事例になるように国にも精力的に調整を進めていただきたいと思います。

意見

5事業者の施設整備計画にある「上流取水の優先的利用」について確認をしました。上流取水によって、経費の大幅な削減だけでなく、脱炭素への貢献や、停電による断水リスクや水質事故リスクの低減できるなどの大きな効果が期待できることは理解しましたが、一方水利権の調整や国との調整など丁寧に進める必要があります。上流取水は全国的にも例のないようですが、良い先例になるよう5事業者としっかり連携し取り組むことを求めました。

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