会議日:令和6年9月13日【代表質問】
教員の働き方改革の一層の促進について
教員の長時間労働は、近年、社会でも大きな課題として取り上げられ、実際、6月に公表された夏期の選考試験の応募倍率は3.5倍、昨年度は3.6倍と経年的に減少傾向で、成り手不足が続いており、教員の働き方改革の推進は喫緊の課題です。
私も、過去の定例会で何度か伺っていますが、こうした中、教員の働き方改革についての実態調査が令和4年に行われ、今年、令和6年3月に公表されたほか、同月、教員の働き方改革に関する若手教員プロジェクトチームによる提言書が取りまとめられたと承知しています。
提供:教育局
若手教員プロジェクトチームからは、意識風土の改善や業務量の削減、適正化、ICTの活用による効率化、人手不足の解消について11の提言が取りまとめられました。現場の先生方が、心身ともに健康な状態で児童・生徒と関わる時間を確保するため、
このような声を真摯に受け止め、具体的な対策を早期に示すことが必要です。
そのような中、8月に国の概算要求が公開され、教職調整額について、現在の月給4%相当から、3倍超となる13%に増額することや、業務の負担軽減に向け、小学校の教科担任を2,160人拡充するなどの方針が示され、こうした国の方向性も注視する必要があります。
また、東京都では本年3月、働き方改革をさらに推し進めるため、具体的な対策を実行プログラムとして取りまとめています。
東京都教育委員会「学校における働き方改革の推進に向けた実行プログラム」 抜粋
その中で、成果指標や目標値を1か月当たり45時間超の教員の割合、ゼロ%、年次有給休暇取得日数、年間20日など、具体的に定め、取組についても具体的に定めています。
本県の成果指標や目標値の設定は、時間外在校時間の縮減、閉校日をつくる、部活動も休養日を設けるなど、3項目ほどにとどまっており、教員の働き方改革を進めるためには、より細かい具体的な取組について、本県の新しい教員の働き方改革の指針に反映させていくべきと考えます。
そこで、今年3月にまとめられた教員の勤務実態調査をどのように分析してきたのか、学校の働き方改革の指針の改定に向けて、実態調査や若手教員プロジェクトチームによる提言書を基に、今後、教員の働き方改革につながる課題の成果指標や目標値の設定を含めた具体的な施策について明示し、教員の働き方改革の一層の促進に取り組むべきと考えます。教育長の所見を伺いました。
教育長答弁
県教育委員会では、教員の長時間勤務の是正に向けて、外部人材の活用や学校閉庁日の設定など、様々な取組を行ってきました。
令和4年に県が実施した勤務実態調査の結果では、教員1人当たりの在校時間が5年前より小学校で週約3時間、中学校で週約5時間減少するなど、一定の効果が見られています。
また、特に管理職の在校時間が長いという分析結果を踏まえ、今年度から全ての県立学校に2人目の業務アシスタントとして、管理職をサポートする外部人材を新たに配置しました。
一方、学校現場では、依然として多くの事務作業や保護者対応など、授業以外の業務に時間を割かれている実態が見られます。若手教員プロジェクトチームからも、これらの業務を削減し、教員が子供たちと向き合える時間を確保してほしいと提言されています。そこで、今年度改定する教員の働き方改革に関する指針において明確な目標値を設定し、その実現に向けた具体的な取組をしっかりと位置づけていきます。
県教育委員会では今後も、市町村教育委員会や学校現場と一体となって、教員の働き方改革をより一層加速させてまいります。
意見
教育長の御決意を伺いました。そうしたところで、在校時間の削減は労基法基準に照らすと、まだ道半ばです。また、教員不足や働き方改革の状況は、社会全体で共有されるべきで、保護者や地域、県民に学校の状況が伝わる必要があると考えます。
成果指標や目標値の設定は、東京都のように複数の視点で設定し、教員の働き方改革が進んでいるか確認できるものとする必要があります。指針改定の際は、こうした目標値の設定を定め、県西部をはじめとした市町村全てがオール神奈川で働き方改革を進めていくという意思を持って、引き続き取り組むよう求めました。
※翌日の神奈川新聞に代表質問の様子が掲載されました。