令和6年

④ 公立小中学校への教育人材支援について【令和6年 第3回 定例会】

会議日:令和6年9月13日【代表質問】

公立小中学校への教育人材支援について

本県では、平成27年度、県教育委員会がかながわハイスクール人材バンクを立ち上げ、民間企業で培われた知識や技術を有する地域の方や、学校で教職員として勤務経験がある方を対象に、県立高校と中等教育学校の授業や、その他の教育活動で指導・支援を行う人材登録制度を始めていると承知しています。

県HPより

一方で、県内の市町村のヒアリングをした際には、現在、各教育委員会において、公立小中学校で必要とされる人材募集をする中で、市町村独自に雇用しているスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーや支援教育補助員、部活動支援員などの必要な人材を必要なタイミングで探すことが難しいとの声を伺っています。

東京都では、多様な外部人材を安定的に確保し、適切な人材情報を学校に提供することを目的に、公益財団法人東京都教育支援機構、通称TEPROが設立されています。

先日、TEPROで話を伺ってまいりましたが、約9,000人の登録者がおり、その中でも約1,500名が活動されています。

会派の吉川議員(大磯町・二宮町)とTEPROへ伺いお話を伺って参りました。

支援の内容は、教職員の事務、学習支援、特別支援教育から部活動、日本語指導、ICT、キャリア教育及び環境教育の支援など多岐にわたり、また、都内の約1,700校のうちの約8割の学校が人材支援を求め、登録しているとのことであり、そのニーズが伺えます。

その対象も、公立小中学校、義務高等学校、中等教育学校、特別支援学校と網羅しています。その中で、例えば特別支援の専門家の研修を受けることなど、質の高い研修を受けた登録者が学校支援に当たることや、ICT対応など、学校業務が増えている中で、個々の学校の悩みを相談できることが強みと言えます。

本県においても、現在、部活動の地域移行に伴う人材バンクの取組を進めていますが、多様化する教育ニーズに対応するためには、県域の公立小中学校における外部人材の確保は喫緊の課題と言え、広域自治体の県として市町村教育委員会の人材募集を支援する仕組みを構築する必要があると考えます。

そこで、多様化する教育ニーズに対応し、教職員の働き方改革を進めるためにも、教育分野における多様な外部人材を公立小中学校においても安定的に確保し、適切な人材情報を市町村教育委員会を通じて全ての学校に提供する必要があると考えます。教育長に所見を伺いました。

教育長 答弁

県教育委員会ではこれまで、教員の負担軽減に向けて事務補助を行うスクールサポートスタッフなど、様々な外部人材を公立小中学校に導入してきました。

また、多くの市町村では、外国につながりのある子供を支援する日本語指導員や特別支援学級における介助員など、独自に外部人材を活用しています。こうした外部人材は、公立小中学校の設置者である市町村が自ら確保、採用することが基本です。

一方、一部の市町村からは、人材の確保が難しくなってきているとの声を聞いています。

そこで、県教育委員会では、今後、政令市を除く県域の市町村から、外部人材の確保の実情等について率直な意見を伺っていきます。その上で、多くの市町村が人材の確保を課題としている場合には、その解決に向け、どのような取組が有効か、市町村とともに検討していきます。

また、一部の市町村における課題にとどまる場合は、引き続き日本語指導の人材情報を持つJICA横浜などの関係団体や大学の協力を得て、必要な人材の確保に個別に協力してまいります。

再質問

今後、市町村教育委員会のニーズを聞き取っていくとのことですが、今回、知事との首長懇談会の中で、二宮町からも教育人材支援について要望があったと承知しています。

今後、調査結果について、市町村教育委員会をはじめ、その地域の児童やその保護者をはじめとする県民に状況を公表する必要があると考えますが、所見を伺います。

教育長再質問 答弁

人材確保に係る市町村の意見の公表についてお尋ねがありました。

県教育委員会としては、外部人材の確保に関する率直な意見を市町村から伺うことからスタートしたいと考えています。そのため、その時点での市町村の意見を県教育委員会が主体的に公表することは考えておりません。

再々質問

教育長に再質問への答弁を頂きましたが、再度伺いたいと思います。

答弁があった教育委員会内部だけでの共有では、有意義な議論をすることはかないません。実際に二宮町からは要望が出ています。改めて、いつ調査を行い、どのような要望があったのかを教育委員会外においても確認ができるようにする必要があると考えますが、再度確認させていただきます。

教育長 再々質問 答弁

先ほど答弁申し上げたとおり、県教育委員会としては、今回、市町村から聞く要望や意見は、今後の検討のスタートに向けた基礎資料と考えています。施策の方向性も定まっていない中で、県があえて市町村の了解を得て、その要望をオープンにする合理性、これを私は感じておりませんので、公表は考えておりません。

意見

今後、学校や自治体、個人のつながりから人材を探すのは、小さな自治体にとって難しくなると考えます。どのような方法であれ、人材を探しているという市町村のニーズを把握し、検証する必要があると考えます。

また、ニーズ把握の方法やその結果については、議論をする際には情報が公開されている必要があります。これについて検討を強く求めます。

さらに、本県でも、部活動の人材バンクと同様、一定の質を確保するための研修が必要ですが、学校と関わりたいというニーズに応えるためにも、人材バンクの取組は重要と考えます。この点について検討を重ねて求めておきます。

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