会議日:令和6年9月13日【代表質問】
令和7年度の当初予算編成について
9月に発表された令和7年度の当初予算編成方針によると、来年度は約550億円の財源不足が見込まれています。

提供:総務局
昨年度も300億円、一昨年も350億円の財源不足が報告されており、毎年、数百億円規模の財源不足が続いている現状は、県政運営にとって大きな課題であります。この課題に対処するためには、単なる歳出削減にとどまらず、歳入の増加を図る取組が不可欠です。
令和7年度の予算編成方針では、定額減税の補塡に係る交付金がなくなることに加え、地方交付税と臨時財政対策債は県税の増収に伴い減額となるため、一般財源総額の大幅な増額は見込めないとされています。このため、国に対して地方交付税の法定率の引上げを求める動きは重要であり、今後も全国知事会と共同で要望を続けることが求められます。
しかし、これに加えて、県としても安定的に一般財源を確保するための施策を模索する必要があると考えます。県の予算編成方針の歳入確保策として、寄附金の確保や民間資金の活用等にも積極的に取り組むこととしていますが、一例として、ネーミングライツの活用が考えられます。
京都市の京都会館では、建物の改修に当たり、世界文化都市・京都を発信する文化の殿堂として、音楽、演劇、伝統芸能など様々な分野の舞台芸術が披露される劇場との思いを込めて、京都会館の再整備後50年間にわたる命名権契約を地元企業と約52億円で締結し、ロームシアター京都として運営されています。
一方、県内では約10施設で実施されていますが、その規模や効果についてさらに研究し、拡大する努力が必要です。

県において、ネーミングライツによる収益は大きくはないかもしれませんが、このような取組が積み重なれば、財政健全化に寄与するものと考えます。
さらに、人口減少による歳入減が予測される中、現行の税体系だけでは限界があると考えます。過去に、臨時特例企業税が違法とされた経緯があり、新たな税導入には慎重な検討が必要ですが、観光税や宿泊税など、他県で成功を収めている新たな税制の導入も視野に入れ、税の使途や目的を明確にした上で、県に適した新たな税収確保策を研究する必要があるのではないでしょうか。また、県に対するふるさと納税を増やす施策も重要な課題と考えます。
そこで、次年度の予算編成に当たり、県がどのような財源確保策を検討しているのか、また、中長期的な歳入増に向けた具体的な施策や方針について、知事の所見を伺いました。
知事答弁
本県財政は、本格的な人口減少社会が到来する中、介護・医療・児童関係費がさらに増加するなど、中長期的にも財源不足が見込まれています。
こうした中、7年度当初予算の編成に当たっては、国庫補助金や寄附金の確保に加え、ネーミングライツによる民間資金の活用などに引き続き取り組みます。また、地方税財源の充実強化に向け、所得税から住民税への一層の税源移譲や、消費税と地方消費税の配分見直し、地方自治体間の税収偏在の是正について国に働きかけていきます。
さらに、地方交付税については、地方が安定した財政運営を行うために必要な額の確保に加え、大都市圏に位置する本県の財政事情に見合った額となるよう、算定方式の見直しを国に求めていきます。
また、中長期的には、企業立地の促進やベンチャー企業の創出・育成を支援するほか、観光振興施策を推進することなどにより、県内経済産業を活性化させ、税収基盤の強化につなげます。
こうした様々な取組を着実に進め、持続可能な財政運営に向けてしっかりと歳入確保 を図ってまいります。