令和7年

④ 技術職員の人材確保について【令和7年第1回定例会】

会議日:令和7年3月5日【建設・企業常任委員会】

技術職員の人材確保について

「神奈川県技術職紹介 かながわの土木」より
https://www.pref.kanagawa.jp/documents/4513/25dobokunochikaradate.pdf
佐藤けいすけ

土木職等の技術職員の確保に向けた取組みについては、本会議で我が会派の小田議員が質問し、知事からは、技術職員確保の取り組みを進めていく旨の答弁がありました。埼玉県八潮市で起きた下水道管破損による道路陥没事故が与える影響の大きさからも、老朽化したインフラ対策や災害応急対策などを担う優秀な技術職員の確保は、県民の安心安全な生活を守るためにも大変重要であると考えます。

そこで、県土整備局における土木職等の人材確保における具体的な取り組みについて伺います。

※知事と技術職員が神奈川県の土木・建築技術職員の仕事や魅⼒についても紹介しています。

佐藤けいすけ

まず、県土整備局における最近の技術系職員の採用状況を伺います。

管理担当課長

県土整備局に配置される主な技術職である土木職、建築職、電気職、機械職の4職種の過去三年間の採用状況についてお答えします。

                                     (人)

 令和3年度令和4年度令和5年度
予定数採用数予定数採用数予定数採用数
土木職544356345127
建築職89531410
電気職15142332110
機械職採用予定数 数名程度に対し、各年度採用数を満たしている 
管理担当課長

このように、土木職・電気職については、採用数が採用予定数を大きく下回っている状況となっています。

佐藤けいすけ

こうした状況に対し、これまでどのように取り組んできたのか伺います。

管理担当課長

本県では1人でも多くの学生等に技術職を受験していただくため、人事課や関係部局、人事委員会事務局と試験制度の見直しに適宜取り組んだほか、県庁体験プログラムなどのイベントを実施してきました。例えば、試験制度については、民間企業の方も受験がしやすいよう、教養試験については令和2年度実施試験からⅠ種試験で、令和3年度実施試験からⅢ種試験で廃止しました。また、令和4年度実施試験からは受験の機会を増やすため、令和4年は5月、令和5年からは4月に土木職・電気職の早期Ⅰ種試験を実施しています。

さらに、令和6年度実施試験からは、土木職・電気職の秋期Ⅰ種試験において、大学3年生からの受験を可能とするなどの見直しをしました。

佐藤けいすけ

今年度から大学3年生の受験も可能となったということですが、そうなると3年生の合格者は実際に働くまで期間があると思います。実際の採用に至るまでつなぎとめておく工夫・対策が必要だと思いますが、どのように取り組んでいるのか伺います。

管理担当課長

今年2月、秋期Ⅰ種試験で合格した大学3年生を対象に、企業局と環境農政局、県土整備局の3局合同で合格者交流イベントを実施しました。当日は6名の大学3年生が参加し、若手職員を交えて希望するテーマに沿ったグループワークやランチミーティングを行い、和気あいあいとした雰囲気で学生と職員との交流を図りました。

今後も合格者と継続してつながっていくことが大変重要であるため、人事課や関係部局と連携し、こうした交流会や座談会の開催、情報発信などを行っていきたいと考えています。

佐藤けいすけ

大事なことだと思うのでいろいろな工夫をしてやっていただきたいと思います。

全庁的な取組みということでは承知をしましたが、採用がかなり厳しい状況にあって、県として今までやってきたことにプラスして取り組んでいく必要があると思います。県土整備局として何かさらに独自に取り組んでいくことがあれば教えていただきたい。

管理担当課長

秋ごろに、実際の土木や建築の現場をそれぞれ1日コースで案内する現場見学会を実施しています。土木の建築現場見学会については、企業局と合同で実施し、4局の現場を見学する内容としています。また、技術職員の仕事紹介や、職員が参加者の疑問や相談に答えるオンライン相談会を年6回開催しているほか、県内の大学を中心に大学訪問活動を実施し、県技術職のPR活動を行っています。さらに今年度は、大手就職情報サイトが主催する土木建築学生向けの就職説明会に初めて出店しました。自治体は神奈川県のみで、他はすべて民間企業という状況でしたが、多くの学生に本県のブースに足を運んでいただき、説明会をきっかけに先ほどご答弁しました現場見学会に参加された学生が複数おり、公務員の仕事にも興味を持っていただけたという意味で、一定の効果はあったものと考えています。

佐藤けいすけ

大学生にこの県の技術職員を知ってもらうこと、PRすることは非常に重要であると思います。一方で、高卒向けのⅢ種試験における採用状況はどうなっているのか伺います。

管理担当課長

最初に答弁した数の内数となりますが、技術職のⅢ種試験を実施している土木職と電気職の過去三年間の採用状況についてお答えします。

Ⅲ種試験の採用状況              (人)

 令和3年度令和4年度令和5年度
予定数採用数予定数採用数予定数採用数
土木職655763
電気職444230
佐藤けいすけ

採用される高校生は県内の高校生が多いのか、差し支えなければ教えていただきたい。

管理担当課長

先ほどの3年間のⅢ種試験採用者で県土整備局に採用された職員については、全員県外の高校生となります。少し広げて、直近10年ほどでみても、ほとんどが県外の高校生となっています。

佐藤けいすけ

県外の高校生が多いのは意外に思いますが、県内に対する高校生に対する働きかけは行っているのでしょうか。

管理担当課長

Ⅲ種採用のある土木職及び電気職については、高校の進路指導の時期に合わせて人事課が受験案内等を送付しており、県土整備局としてもパンフレットやイベントチラシを同封し、令和6年度は県内・県外の高校262校に配布しました。また、県内の一部の工業高校に対してではありますが、近隣の土木事務所が工業高校2年生向けに出前授業や約1週間のインターンシップ受け入れを行い、県の技術職として働くイメージを持っていただく取組みを行っています。さらにこの3月には、人事委員会や企業局とともに工業高校の1 、2年生の保護者向けの採用説明会に出席し、神奈川県の土木職として働くことへの魅力を発信する取組みを新たに行ったところです。

佐藤けいすけ

今後のこの技術職員の人材確保に向けて、どのように取り組む考えなのか伺います。

管理担当課長

県土整備局は県民の方々が日々利用されるインフラの整備や管理を担っており、技術職員を確保することが不可欠ですが、人材獲得競争が一層厳しさを増しており、危機感を持っています。民間企業や各自治体もさまざまな取り組みを進めていることから、関係部局と連携を図りながら、時代の流れに応じた試験制度や採用に関する見直し、学生への働きかけ方、広報活動など、できる取組みを積極的に進めていきます。特に高校生に対しては、より広く県内の工業高校などに直接アプローチするなど、高校卒業者の採用増に向けた取組みを行っていきたいと考えています。

佐藤けいすけ

いろいろな工夫をされているんですが、さらに試験の回数や時期の前倒しなどいろいろ試していくことも大事だと思います。ただ私としては、県内に工業高校を新しく作っていってほしいという建設業の方の声などもあり、高校生やその前の世代にどうアピールしていくかということも大事だと思います。

他県でも建設業と行政がタッグを組んで、その中に大学が入られているケースもありますし、いろいろな裾野を広げる活動も含めて今後も取り組んでいただきたいと思います。

関連記事

TOP