令和7年

③ 災害時における仮設受水槽の配備について【令和7年第1回定例会】

会議日:令和7年3月7日【建設・企業常任委員会】

災害時における仮設受水槽の配備について

佐藤けいすけ

私の地元である清川村では、令和元年の台風19号による道路崩落で水道施設が被害を受けました。医療施設への給水ができない状況となり、県営水道が応急給水の支援を行っていただいたことは承知しています。

仮設受水槽については先行会派からも質問がありましたが、県営水道は、給水区域内の市町を支援するため、新たに追加配備するということですが、簡易水道を経営する清川村でも、今後配備を促し、災害対策の強化をする必要があると考えます。

そこで、災害時における仮設受水槽の配備について伺います。
まず、災害時の応急給水について、県営水道と給水区域内の市町の役割について確認します。また、参考に清川村の応急給水についても伺います。

企画調整担当課長

神奈川県地域防災計画では、県営水道は応急飲用水の確保に努め、応急給水を支援することになっています。また、給水区域内の市町が、県営水道が確保した飲料水などで応急給水も実施します。一方、清川村は、村営水道事業を経営していますので、飲料水の確保と応急給水を合わせて実施しますが、大規模な断水が発生し、近隣自治体の応援が必要な場合には、日本水道協会に要請し、同協会を通じて県営水道も含め、近隣水道事業者などからの応急給水支援を受ける形となると認識しています。

佐藤けいすけ

次に、県営水道で配備する仮設受水槽がどのようなものなのか、仕様と価格について確認します。

企画調整担当課長

今回予算案に計上している仮設受水槽は、容量が1立方メートルのもので、主に本体と架台と内袋に分けられます。この受水槽の下部にはバルブがあり、そこから給水するため、一段高い場所に設置することが必要です。使用時は縦横約1m、高さが80cmの架台の上に縦横高さが約1mの本体を設置します。また、本体と架台がともに組み立て式で、収納時には縦横約1mで高さが50cm程度になり、コンパクトに保管することが可能です。 なお、価格は、本体と架台がセットで一台当たり約70万円となっています。

提供:神奈川県企業庁
佐藤けいすけ

それでは、仮設受水槽はどのように組み立てるのか、また作業にはどの程度の人数や時間が必要なのか伺います。

企画調整担当課長

組み立て方は、はじめに高さが約80cmとなる樹脂製の架台を組み立て、その上にアルミ製の枠のパネルを設置します。その設置したパネルの中に衛生的なポリエチレン製の内袋を広げ、加圧給水車等で運搬した水をこの内袋の中に入れ、応急給水を実施します。

なお、この仮設受水槽の組み立て時間は、2人で行ってもだいたい10分程度で設置が可能となっています。

佐藤けいすけ

かなりコンパクトで、すぐに組み立てられるイメージはもったところです。

また、仮設受水槽は、令和6年能登半島地震では、数多く活用されたと聞いていますが、どのような場所に設置され、どこから集めたのか伺います。

企画調整担当課長

令和6年能登半島地震では、水道施設の被害が甚大で、日本水道協会を通じて全国の水道事業体による応急復旧や応急給水の支援が行われました。応急給水については多くの住民が被災したため、避難所や病院、福祉施設のほか、防災センターや公民館、スポーツセンターなどに給水拠点を設け、応急給水が実施されました。特にこの給水拠点の多くが、仮設受水槽を使用しており、加圧給水車からの水を一度受けて、住民の方などへ給水する方法が行われました。加圧給水車の機動的な運用と合わせて、効果的に水を配ることができました。また、それらの仮設受水槽については、県営水道には依頼がなかったものの、日本水道協会を通じて各水道事業体に依頼があり、全国からかき集めたと聞いています。

佐藤けいすけ

実際の災害時において、今回県営水道が配備する仮設受水槽について、給水区域内の市町に貸出し、支援することは承知していますが、その他に、近隣の水道事業体や給水区域外の市町村に貸出すことも可能なのか伺います。

企画調整担当課長

県営水道で配備する仮設受水槽については、給水区域内の市町に貸し出すことを想定しています。しかし、災害時には県営水道が貸し出すことが可能であれば、今回の能登半島地震のように、日本水道協会を通じ、仮設受水槽を近隣の水道事業体などへ貸し出す支援も可能であると考えています。

佐藤けいすけ

それでは、県営水道は今回配備する仮設受水槽を活用し、今後、災害体制の強化にどのように取り組んでいくのか伺います。

企画調整担当課長

今後、仮設受水槽を給水区域内の市町や近隣の水道事業体などに貸し出すための仕組みづくりとして、新たに貸し出し要領を定め、実際の災害時に迅速な対応ができるよう進めていきたいと考えています。県営水道、このような細部に渡るスキームづくりを通じ、災害、その他非常の場合における応急給水の支援を行うため、より一層の災害体制の強化に取り組んでいきます。

佐藤けいすけ

被災した住民の方に出来る限り多くの水を届けることができる仮設受水槽は、災害時に貴重な資機材となると考えます。今後も県営水道は、給水区域内の市町に仮設受水槽の配備を促すとともに、それらを利用した訓練等も実施し、また、日本水道協会を通じた近隣水道事業体などへの支援についても連携を図るなど、しっかりと災害時の体制強化に取り組んでいただきたいと思います。

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