会議日:令和7年6月24日【令和7年第2回定例会】
1.水源地域の未来に向けた取組みについて
水源環境保全・再生施策における里山林整備について

近年は、使用する水の量以上に供給することを目指していくなど、水資源の保全に対して積極的に貢献していこうとする動きであるウォーターポジティブの考えのもと、主に企業や市民が森林整備などに取り組む動きがみられ、こうした動きを積極的に盛り上げていく必要があると私は考えています。

県HP「水源環境保全・再生の取組」
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/pb5/cnt/f7006/p1163321.html
こうした中で本県では、「かながわ水源環境保全・再生施策」のもと、地下水や湧き水など地域の主要な水道水源の保全などを図るため、水源環境の保全・再生上重要と認められる森林を「地域水源林」として位置付け、市町村が主体となって行う地域水源林の整備の取組みに対して支援を行っており、スギ・ヒノキなどの人工林については、手入れ不足の状態が改善しつつあるとされています。

このように人工林の整備が進む一方で、かつて薪炭林などとして利用されてきた、主に広葉樹からなる里山林については、手入れが行き届かずに荒廃が進行している状況が見受けられ、里山林が荒廃することで、人家等への倒木発生や有害鳥獣の棲み処となるなど、水源地域の住民生活に不安をもたらす一因ともなっており、里山林の整備は重要であると考えます。
一方、里山林は道路沿いに位置する場所も多いことから、整備が進めば視認性の高い「見える整備」にもなり、水源林の大切さを県民に伝える啓発効果も期待できるのではないでしょうか。

そうした中、今年の第1回定例会において、県が示した「令和9年度以降の水源環境保全・再生施策の考え方」において、地域水源林整備の支援内容を拡充し、集落周辺の里山林整備や、また新規事業として、都市部住民との交流を通じた里山林整備等にも取り組むことが示されました。
そこで、令和9年度以降の新たな水源環境保全・再生施策の中で、集落周辺の里山林整備や都市部住民との交流事業について、県は、どのように進めていこうと考えているのか、環境農政局長の見解を伺いました。
環境農政局長答弁

県ではこれまで、水源林の間伐などの森林整備を進めてきた結果、人工林については荒廃した状況が改善され、水源かん養機能などの公益的機能が向上しました。
一方、集落周辺の広葉樹や竹林などからなる里山林は、手入れが十分に行き届いていない場所も多く、山林のヤブ化により土壌を荒らす鳥獣の増加を招いたり、竹林の拡大により樹木の健全な生育が阻害されるなど、水源環境の悪化が懸念されています。
こうした里山地域特有の課題については、市町村等からも対応を求める意見が寄せられていることから、水源かん養機能の更なる向上に向けて、集落周辺の里山林の整備にも新たに取り組んでいきます。
あわせて、身近な森林である水源地域の里山林を活用して、多様な主体による水環境学習や地域交流の充実強化を図り、水源環境を県民全体で支えていく大切さなどについて、都市部住民の理解促進にも取り組んでいきます。
今後、令和9年度以降の具体的な取組については、市町村や関係団体等の皆様と意見交換しながら、その内容を検討し、9月にお示しする実行5か年計画の素案に盛り込んでまいります。
意見

水源林の整備についてこれまで事業者による人工林整備がメインで、いわゆる広葉樹
の里山地域ではあまり行われてこなかった印象です。
里山整備については地域住民やNPOによって行われてきたように、今後都市部住民との交流を図っていくのであれば、事業者に任せる部分と地域に委ねる部分をしっかり分ける制度設計にするよう求めました。

丹沢で広葉樹(山桜)を植樹しました
神奈川県議会議員:佐藤けいすけ