令和7年

2② 神奈川県総合リハビリテーションセンターにおける人材確保について【令和7年第2回定例会】

会議日:令和7年6月24日【令和7年第2回定例会】

2.かながわの未来に向けた取組みについて

神奈川県総合リハビリテーションセンターにおける人材確保について

出典:神奈川県総合リハビリテーションセンターあり方検討会(第1回資料)

https://www.pref.kanagawa.jp/docs/w8d/arikatakentou/arikatakentoukai.html

地元の厚木市にある「神奈川県総合リハビリテーションセンター」、いわゆる「リハセンター」は昭和48年に開設され、現在「神奈川県総合リハビリテーション事業団」の指定管理のもと、障害のある方の自立と早期の社会復帰に向け、医療や社会生活などのさまざまな観点から、質の高いリハビリテーションを提供していると承知しています。

また高度専門性を維持していくために、医師や看護師、作業療法士など、多くの専門職が連携することが必要であり、それぞれの分野で質の高い人材を十分に確保することが重要です。

一方、少子高齢化の急速な進展により、医療・福祉サービスの需要の増加に対して、サービスの提供者の不足が見込まれますが、すでに全国的に厳しい状況にあり、リハセンターでも人材がなかなか集まらないのは、他の医療機関や福祉施設と同様と思われます。

こうした人材不足が、今後、サービス提供の在り方にも影響を及ぼすのではないかと懸念する声もあり、例えば、利用者の年齢構成については、60代以上の高齢者が増える一方で、若年層の重度障害者の受入が難しいケースがあるのではないか、との声も聞かれています。

リハセンターが果たすべき役割を考えると、幅広い層に対応できる体制の維持が重要です。

加えて、リハセンターでは、若手や中堅層なども含めた離職が続いている状況にあり、近年、職員数は減少傾向にあると聞いています。その背景としては、同様の施設に比べて低い給与水準となっていることや、市街地から離れた立地が不利に働いていることなどがあるのではないでしょうか。

こうした中で、人材を確保していくためには、給与などの処遇改善に加え、仕事のやりがいや、職員のキャリア形成など、リハセンターの魅力を高め、「選ばれる職場」となることが重要です。

出典:神奈川県総合リハビリテーションセンターあり方検討会(第4回資料)

県では、昨年8月に「神奈川県総合リハビリテーションセンターあり方検討会」を設置し、リハセンターが今後果たすべき役割等について検討を重ねていると承知していますが、リハセンターの機能を高めることはもとより、それを担う人材をどのように確保し、体制を構築していくかについて、しっかりと検討すべきと考えます。

そこで、神奈川県総合リハビリテーションセンターが、県のリハビリテーションの拠点として、引き続き役割を果たしていくため、人材の確保にどのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺いました。

知事答弁

リハセンターではこれまで、早期の社会復帰に向けた専門的な医療や生活支援を提供するとともに、筋電義手などのロボット技術の活用や、いわゆるパラスポーツの推進など、最先端のリハビリテーションを提供してきました。

※昨年節電義手を視察してまいりました。
県政報告2024.7 vol.21 https://sato-keisuke.com/report/vol-21/

一方、高齢化の進展の中で、リハビリテーションを行う専門人材へのニーズは大きく増加しており、こうした人材を安定して確保するには、給与などの処遇改善が必要です。

そこで県では、この処遇改善に必要な費用を、神奈川県/総合リハビリテーション事業団への令和8年度の指定管理料に盛り込むこととし、昨年の第3回定例会で議決をいただいたところです。

また、リハセンターが「選ばれる職場」となるためには、仕事のやりがいや個人のキャリアアップなど、「処遇以外の魅力」を高めることも重要です。

昨年度から行っているリハセンターの「あり方検討会」でも、質の高い人材の確保・育成は、大きなテーマとなっており、例えば「働きながら大学院を修了するなど、専門性を高めた職員を評価する仕組みを作ってはどうか」といった提案をいただいています。

県としても、こうしたご意見を参考にしながら、リハセンターが職員の高いモチベーションのもとで、期待される機能を発揮できるよう、しっかりと検討してまいります。

意見

民間で受け入れられない、重度や複合度が高い方の利用が多いという意味で、カナリハは最後の砦です。

高度専門性の維持と処遇改善、そして、答弁にあった魅力ある職場に向けた取り組みのバランスが重要ですので、引き続き取り組みを求めました。

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