会議日:令和7年6月24日【令和7年第2回定例会】
2.かながわの未来に向けた取組みについて
クラフトビールを活かした観光振興について

国税庁の調査によると、神奈川県内には現在約40のクラフトビールブルワリーがあり、都道府県別で全国第2位の数とも言われています。ここ数年で新規参入も相次ぎ、現在も立ち上げを準備している事業者もいるとも聞いています。
また、湘南ゴールドなど県産素材を活かした製品を扱う、地域密着型の小規模ブルワリーでは、「現地でしか味わえない体験」を求めて訪れる観光客も増えています。
さらにクラフトビールは地元産の果物や茶葉を使うなどフレーバーの展開がしやすく、農産物や茶業などの地域産業の支援にもなりえます。
今年4月に幕張メッセで開催された「ビアEXPO2025」には、県内から20事業者が出展し、地元の魅力を発信しました。また、周辺50km圏内の素材にこだわる事業者や、イベントやスポーツ大会と連動した提供事例も増えており、ローカルに密着した観光資源としての可能性は広がっています。

今後、地域の消費単価や滞在時間を向上させていくために、例えばクラフトビールに興味関心のあるターゲット層を把握し、クラフトビールを契機に神奈川県への来訪に繋げる戦略的なアプローチや、満足度調査などを通じて、その結果を反映したモデルコースを紹介するなど、より効果的に県内を周遊させる仕組み作りが必要と考えます。
また本県のふるさと納税においても、横浜や鎌倉などの一部地域の名称を冠したクラフトビールが返礼品としてありますが、返礼品をきっかけに現地への訪問に繋げていくことも可能です。県内に点在する様々な地域のブルワリーのビールを詰め合わせセットとすることで、県全体の認知度向上と地域への訪問促進、さらに税収増にも繋げることができるのではないでしょうか。
本県のクラフトビールを、地産地消や地域産業と連携した観光資源として積極的にPRし、「現地でしか味わえない体験」として情報発信強化を進めるべきと考え、文化スポーツ観光局長に県の見解を伺いました。
文化スポーツ観光局長答弁

日本のビール産業発祥の地とされる横浜を有する本県には、約40のクラフトビール醸造所、いわゆるブルワリーが立地し、素材や醸造技術等にこだわった個性的なビールを生産しています。
県では、こうしたクラフトビールを地ビールとして、かながわの名産100選に選定し、県の観光ウェブサイトへのブルワリー一覧の掲載、ふるさと納税返礼品での提供等によりその魅力を発信してきました。

https://www.kanagawa-kankou.or.jp/features/270
全国でブルワリーが増える中、作り手により個性が異なるクラフトビールの魅力を活かし、県内各地へ誘客していくには、その土地を訪れたくなる体験の提案や、特色ある商品の充実が重要です。
そこで県では、県の観光ウェブサイトで新たに特集を組み、クラフトビールを通じた楽しみ方として、郷土料理との組合せや、ブルワリーと観光資源を巡るコースを提案するなど、情報発信を強化します。
また、ビール原材料への地元農産物の活用等を求めるブルワリーに対しては、県の「地域資源活用・地域連携サポートセンター」で行っている、商品開発などの相談対応や伴走支援の活用を促していきます。
県は、クラフトビールを観光資源として効果的に情報発信し、本県の観光振興を図ってまいります。
意見
特集ページを設けるなど前向きな答弁をいただきました。
名産100の中に留まらず、ビールとの食べ合わせという点で本県の食の魅力をアピールする取り組みとしていただくとともに、若い世代やインバウンド層にも伝えていき、本県クラフトビールをきっかけに県内を訪れ、周遊を促す取り組みとなるよう求めました。

神奈川県議会議員:佐藤けいすけ