令和7年

2⑤ まなびや基金を活用した県立社会教育施設における資料収集について【令和7年第2回定例会】

会議日:令和7年6月24日【令和7年第2回定例会】

2.かながわの未来に向けた取組みについて

まなびや基金を活用した県立社会教育施設における資料収集について

神奈川県に関する歴史資料について、地元の歴史を研究する方から「県域に関わる貴重な資料なので、県の社会教育施設で所蔵・公開できないか」との相談がありました。地域の研究等が深まることを考えれば、提案された方の想いを形にすることも大事であると感じました。

地域の歴史資料や文化財を収集し、保管することは、地域の記憶を未来へつなぐ極めて重要な取り組みですが、県立の博物館や図書館などの社会教育施設では、施設の特性に応じて定めた収集方針に沿って、収集すると聞いています。

また収集方針に沿った資料であっても、予算や保管場所などを考慮し、優先順位をつけざるを得ないこともあると認識しています。

しかし、貴重な資料をタイミング逃さず、収集することは、県民の学びを支える県立社会教育施設にとっての役割であると考えます。

神奈川県まなびや基金への寄附のお願い

https://www.pref.kanagawa.jp/docs/en7/cnt/f6088

現在、県教育委員会では、学校や社会教育施設の環境整備に多額の財源が必要になることから、まなびや基金を活用して、広く寄附募集を行っていると承知しています。

こうした取り組みは、資料の散逸や流出を防ぐことにつながることから、社会教育施設における資料収集の財源としても積極的に活用していくべきであると考えます。

寄附を募る際には、収集した資料をどう活用し、どう社会と共有するかという戦略が伝わるようにすることも重要です。

2023年に国立科学博物館が実施したクラウドファンディングでは、博物館の意義と資料の充実の必要性を広く訴えて、多くの方々から共感を集め、当時の報道等で過去最大の約9億円という寄附が集まりました。結果として、来館者の増加や博物館の存在意義の可視化につながったとされています。

https://www.pref.kanagawa.jp/docs/en7/230201.html

国立科学博物館の事例は、規模的に見ても異例なものかもしれませんが、まなびや基金を活用して、寄附募集を実施する場合も、多くの方の共感を得ることができるように、ストーリー性をもって、施設の意義や資料の収集・保管の重要性と活用方法などを説明し、資料収集の必要性を訴えていけば、県立社会教育施設の活性化にも寄与すると考えています。

そこで、県立社会教育施設において、まなびや基金を活用した資料収集に、今後どのように取り組んでいくのか、教育長の所見を伺いました。

教育長答弁

県教育委員会では、学校や社会教育施設が、事業プランを提案したうえで、まなびや基金への寄附を募集する仕組を、令和3年に創設し、これまで様々な事業で活用してきました。

具体的に金沢文庫では、鎌倉幕府滅亡以降に散逸した貴重な資料を買い戻すプランを提案し、約300万円の寄附を集め、昨年11月に買い戻しを実現することができました。

また、川崎図書館では、科学技術への関心を高める資料収集の提案に対して、目標額の50万円を上回る寄附が集まるなど、一定の成果が上がっています。

一方で、目標額に満たなかった事例もあり、今後の寄附募集にあたっては、これまで以上に効果的な発信が必要です。

そこで、SNSによる幅広い寄附募集や、タウン誌など地域に密着したメディアの活用に加え、寄附募集に至った切実な思いを、動画でPRするなど、より多くの方が寄附したくなるような取組を強化していきます。

県教育委員会としては、今後もこうしたことにより、まなびや基金への寄附を積極的に活用しながら、県立社会教育施設における資料収集に、しっかりと取り組んでまいります。

意見

まなびや基金を活用した県立社会教育施設における資料収集についてです。

金沢文庫の事例が実績としてあるというですが、今後は制度の存在がさらに知られていくために様々なことをしていただくというような話がありましたが、社会教育施設内の共有にとどめるだけではなく、研究者や資料保持者などにも思いを伝えて、思いを形にできる手段であることを共有していただきたいと思います。

神奈川県議会議員:佐藤けいすけ

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