会議日:令和7年7月2日【安全安心・未来環境特別委員会】
歩行者の安全確保に向けたビックデータ等の活用について

近年、ビッグデータやDXを活用した交通安全対策が進んでいます。私の地元厚木市でも、ビッグデータを活用して市内の交通事故発生地点や渋滞が多い場所などを表示した地図「交通安全マップ」と「交通混雑マップ」を作成して公開しています。
県としても、ビックデータやDXを広く活用した交通安全対策に取り組んでいく必要があると考えますので、何点か伺います。
厚木市「地図でみる走行ビッグデータ」
https://www.city.atsugi.kanagawa.jp/soshiki/dorokanrika/bd-pj/39241.html

県管理道路では、道路利用者が道路の損傷などを発見した際に、DXを活用して、通報できる仕組みを導入していることは承知しています。これは、道路を維持管理する上で大変有効であり、歩行者などの安全確保にもつながるものと考えます。
そこで、昨年度、1年間で歩行者からの通報は何件あったのか、またその対応状況について伺います。

県管理道路においてDXを活用したというのは、「道路損傷通報システム」というものを導入しているんですが、そちらに歩行者からと思われる通報の件数は昨年度1年間で191件ありました。その通報内容は、「歩道の舗装にがたつきがある」「樹木が繁茂して歩きにくい」「ガードレールが傷んでいる」といったものでした。現在は、これらの通報を確認後、順次現地調査を行い、緊急性・優先度を検討した上で、順次工事や修繕等を行っている状況です。

神奈川県「スマートフォンを使った道路損傷通報システム」
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/n5h/my_city_report1.html

引き続きこういったシステムがあるという広報をお願いしたいと思います。
県では、交通安全対策を実施する上での基本となる、「神奈川県交通安全実施計画」を作成していると承知しています。
まず、この計画におけるビッグデータの位置付けについて確認したいと思います。

交通安全実施計画では、幹線道路における交通安全対策に関して、急ブレーキデータ等のビッグデータを活用した潜在的な危険箇所の事故防止対策を推進することと位置づけています。

次に、県警察では、ビッグデータをはじめとするさまざまなデータを活用して、AIで交通事故の発生予測を行っていると承知しています。そこで、AIを活用した交通事故の未然防止対策について伺います。

AIによる交通事故発生予測は、県警察が保有する過去の交通事故に関する統計データに加えて、気象や地形などの一般に公開されているオープンデータなど、89種類のデータをAIに学習させることで、地域の特性に応じた交通事故の発生予測を行うものです。県警察では発生予測を活用した、パトカーや白バイによる交通指導取り締まり、交差点における見守り活動などを推進し、交通事故の未然防止に努めています.

神奈川DX計画
https://www.pref.kanagawa.jp/documents/38674/kanagawadxplanpolicylist-r7.pdf

そのような対策について、道路管理者の方では警察が活用しているビッグデータなどを共有して、歩道や道路改良、注意喚起などの対策に役立てているのか確認します。

道路管理者と交通管理者では、定期的に交通事故多発区間の対策に関する会議を開催していまして、先ほど交通課長から答弁のあったデータを活用して、安全対策の検討などを行っています。

冒頭申し上げましたが、厚木市では、渋滞や急ブレーキを踏んだ場所が分かるビッグデータを活用した交通安全対策に取り組んでいます。同様の取組みを県内では、他に1つの市で実施していると把握していますが、県内全体に広がっているとは言い難いと思います。
県として、厚木市が行っているような、ビッグデータを活用したリスクの可視化を、他市町村・県全体に広げていくことが望ましいと考えますが、県の認識を伺います。

厚木市の取組みにつきましては、2023年に開始したもので、その効果につきましては検証中であると伺っています。厚木市の取組み事例は、道路政策を交通安全対策に活用していくと伺っていますので、今後の検証結果を踏まえ、厚木市を含む県内市町村が構成員である神奈川県交通安全対策協議会において、今後、好事例として情報共有してくる方針です。また、県ではこのような先進的な取組みには至っていませんが、今後はビッグデータを活用した取組事例を参考にしながら、交通安全対策に取り組んでまいります。

今回、ビッグデータの取組みを伺ったのは、1つはやはり県として広域的には取り組む必要があるのではないか考えるからです。少し歩行者の安全確保というところから離れますが、県民の方は自治体をまたいで移動することが多く、隣の自治体で渋滞や事故に出くわすこともあると思います。今はグーグルマップなどで情報がわかるようにはなってきましたが、事故が起きやすい場所の履歴などは、隣の市町村だとまだわからなかったりすることもあると思うので、厚木市のビッグデータというのは、例えば私は愛川町ですけれども、愛川町は見れなかったりしますし、そこは県として広域的な対応をしてもらえれば、助かるなというところと、あとはやはり財政規模の小さい自治体では、このようなビッグデータってなかなか対応できないところもあると思いますので、引き続き取り組んでいただきたいと思います。
また今回の質疑で言えば、県警の方で所管されているビッグデータなどは、すでに共有されている部分もあるとは思いますが、引き続き道路整備や、1つ前の質疑の話にもつながりますが、観光ですとかそういった横断的な取り組みや共有が大切になってくると思いますので、取組みを求めます。
神奈川県議会議員:佐藤けいすけ