令和7年

民俗芸能の支援の在り方について【令和7年第3回定例会】

会議日:令和7年10月20日【決算特別委員会】

民俗芸能の支援の在り方について

佐藤けいすけ

一般会計の歳出決算の2款総務費、9項文化スポーツ観光費、2目文化振興費について、初めに、当該目の減額補正をしている理由について伺います。

文化課長

減額補正の主な理由は、神奈川芸術劇場、音楽堂、近代文学館という三つの施設の設備工事、具体的には、照明・音響設備の更新工事や、エレベーターの改修工事などで入札残が発生したことなどによるものです。

佐藤けいすけ

続いて、国際交流推進費に流用していますが、その内容を確認します。

国際課長

県立地球市民かながわプラザのプラザホールせり機構更新工事となります。ホールの舞台のせり機構を制御するシステムが耐用年数を超過しまして、故障した場合にはもう修繕が不可能となってしまうので工事を行う必要性があったのですが、入札に向けた積算の作業を行う中で、予算策定時の想定を上回る人件費及び資材価格の高騰によって、工事請負費が約190余万円不足する見込みであることが判明しました。そのため、 国際交流推進費の中で財源を捻出できないか精査しましたが、難しい状況であったので、局内で同じ工事請負費の予算がある文化課の文化振興費から流用を行ったものです。こちらの流用はやむを得ず行ったもので、例年のものではありません。

佐藤けいすけ

予算策定時を上回る人件費や物価高騰への対応ということで理解しましたが、このような点はしっかり考慮して、新年度予算には生かしていただきたいと思います。 次に、不用額について伺いますが、委託料、負担金、補助及び交付金などで、どの事業において執行残が生じたのか、確認します。

文化課長

まず、委託料については、日本大通り等活性化推進事業費やマグネットカルチャー推進費等において入札残や実施をしなかった事業があったことなどの理由で不用額が発生しています。 次に、負担金、補助及び交付金の不用額についてですが、主にマグネットカルチャー推進費において、事業変更に伴う補助金の減額などにより執行残が生じたものです。 このほか、工事請負費において、かながわアートホール設備整備費等の工事の入札残により不用額が発生しています。

佐藤けいすけ

続いて、文化関係補助金の決算状況について伺っていきます。 まず、1つ目に文化芸術活動団体事業補助金、2つ目にマグカル展開促進補助金、それぞれ令和6年度の申請件数、採択数、決算額を伺います。また、令和7年度の申請状況や採択数も併せて伺います。

文化課長

初めに令和6年度の文化芸術活動団体事業補助金の実績ですが、申請件数は61 件、採択件数は33件、決算額は約800万円となっています。なお、令和7年度は47件の申請が あり、30件を採択しています。 次に、令和6年度のマグカル展開促進補助金ですが、この補助金は二次募集まで行っており、一次、二次合計の数でお答えしますと、申請件数は158件、採択件数は66件、決算額は約4,800万円となっています。令和7年度には166件の申請があり、 68件を採択したところです。

佐藤けいすけ

マグカル展開促進補助金について、伝統芸能がありますが、令和6年度に補助率を3分の1から3分の2に引き上げるとともに、将来の公演の準備に必要な費用に対して、上限30万円の定額補助の区分を新設したということです。その結果として、申請件数や採択数にはどのような変化や効果があったのか伺います。

マグカル担当課長

マグカル展開促進補助金における伝統芸能の申請件数については、補助率を引き上げる前の令和5年度は11件、令和6年度は6件、令和7年度は10件となっています。 また、採択数については、令和5年度は2件、令和6年度は5件、令和7年度は3件となっており、年度によって件数にばらつきがありますが、大幅な増には至っていないというのが現状です。 まずは申請件数を増やしていくことが重要だと考えていますが、今回の補助制度の見直しで伝わっていない団体もまだ多数あると思いますので、文化芸術団体等に対する補助制度の周知を強化し、申請件数の増に向けた努力をしていきたいと考えています。 また、制度の見直しの効果ですが、一例を挙げますと、新設した定額補助により、地域に伝わる獅子舞で使用する獅子頭の修繕ですとか衣装の新調といったこれまで補助の対象外であった備品の購入や修繕に係る費用に対して支援をすることができるようになったことで、団体からは「古くなった備品等を新調することができ、今後の活動がしやすくなった」というような言葉をいただいています。

佐藤けいすけ

続いて、地元の民俗芸能団体から、「芸を維持していくのに精いっぱいで、なかなか補助金をもらっても継続的な活動につなぎにくい」というような声が寄せられています。こうした背景もあって、マグカル補助金の方で新しく補助率を上げたり、新たに定額補助を導入したと理解していますが、文化課としては、申請につながっていない団体や現場の声をどのように把握したのか伺います。

マグカル担当課長

日頃から補助金の手続きや事業実施の場において、民俗芸能を含むさまざまな文化芸術団体からご意見を伺っており、こうした声を基に、これまでも制度や手続等の見直しを行ってきました。 令和6年度のマグカル展開補助金の制度見直しに当たっては、改めて県内の文化芸術団体 へヒアリングを行ったところ、多くの伝統芸能・民俗芸能団体について、経済的な基盤が弱く、 補助を受けるのに必要となる自己負担分の資金の確保が困難であるとの課題が把握できました。 そこで、こうした小規模な団体も含め、利用しやすい補助制度となるよう、補助率の引上げや 新たな定額補助の導入といった支援の充実を図ったところです。

県の民俗芸能保存協会に関して、ホームページを見ると、76団体ほどいられるようですが、申請という点では団体にとってどういった方向性がいいのかということは考えていく必要があるのと感じたところです。

続いて、こうした補助金の見直しの結果を踏まえて、今後どのように民俗芸能への支援をしていくのか伺います。

マグカル担当課長

文化芸術活動団体事業補助金、マグカル展開促進補助金の両補助金ともに、民俗芸能に対する補助メニューは用意していますが、そもそも補助金があることを知らなかったり、また、補助メニューがあることは認識しているものの、団体側のマンパワー不足などにより、申請までには至っていないというケースがあると感じています。 せっかく補助制度があっても利用する団体が少なければ、補助金の本来の意義が半減してしまいますので、引き続き県内の民俗芸能団体や市町村などと意見交換をしながら、より活用しやすい補助金となるよう適宜制度の見直しを行うとともに、補助金の一層の周知や、団体からの個別相談なども丁寧に対応することで補助金が最大の事業効果を発揮するよう、しっかりと取り組んでまいります。

佐藤けいすけ

続いて、他事業における民俗芸能への支援についても少し確認します。例えば、かながわ伝統文化こども歳時記、また、かながわ民俗芸能文化祭など、補助金以外の芸能・民俗芸能に関する取組みを伺います。 また、この事業費は、歳出の文化振興費のどちらに該当するのかも、併せて確認します。

文化課長

補助金以外の取組みとしては、民俗芸能や伝統芸能の団体に対する披露の場の提供や、 若い世代を主な対象とした伝統的な芸能の体験機会の拡充などに取り組んでいます。例えば、 披露の場の提供という取組みについては、きらめくふるさとかながわ民俗芸能祭のほか、本県ゆかりの伝統文化を新しい発想で活用し、現代を生きる文化芸術として再発信をするカナガワ リ・古典プロジェクトなどの事業を毎年実施しています。 また、伝統的な芸能の体験機会の取組みとしては、かながわ伝統文化こども歳時記などのイベントにおいて、伝統的な芸能、地域の文化、祭礼の体験プログラムを実施するとともに、 学校において実施をする公演と体験を組み合わせた、相模人形芝居ワークショップといった取組みを実施しています。 なお、これらの事業費については、県・市町村・団体がそれぞれ経費を負担して共同で開催することから、基本的に負担金として支出をしており、節としては負担金、補助及び交付金に該当します。

佐藤けいすけ

県は、民俗芸能の活動実態について、今後どのように把握をしていくのでしょうか。

文化課長

県内には多数の民俗芸能団体が存在しており、各地の民俗芸能の状況については、文化財を所管する県教育委員会とも連携して、引き続き情報の把握に努めます。 また、県内の民俗芸能団体の活動実態については、現在、主立った団体が加盟をしている県民俗芸能保存協会と連携をし把握しているところですが、把握が難しい小規模な団体もありますので、こうした団体については、地域の実情に詳しい市町村の協力も得ながら、県としてさらに多くの情報を収集していきたいと考えています。

佐藤けいすけ

続いて、話を少し変えますが、文化芸術振興審議会では、行政とは一線を画して、文化団体などへ支援する地域版アーツカウンシルという議論が出たと聞いております。少し私も調べたんですけれども、このアーツカウンシルというのはどのようなものなのか、確認も含め、概要を確認します。

文化課長

アーツカウンシルとは、文化芸術活動や文化芸術団体などを育成する、行政からは一定の距離を置いた専門機関のことであり、発祥はイギリスとされています。このアーツカウンシルにおいては、専門性を持つスタッフが活動経費への助成や相談、助言など、さまざまな手段でアーティストや文化芸術団体の支援を行っています。 日本国内でも、地域版のアーツカウンシルとして、東京や沖縄などの地域で設立されており、各地域の実情に合わせて助成事業等を実施していると承知しています。

佐藤けいすけ

審議会におけるアーツカウンシルの議論の中で、新たな切り口への支援や新たな需要への対応など、補助金の在り方について話題になったということですが、議論の詳細について確認します。

文化課長

審議会でのアーツカウンシルの議論については、委員から「補助金制度をこのまま残していくのか、あるいは新たな切り口でつくり変えていくのかということを今後検討してもよい気がしている」といったご意見をいただきました。また、あわせて、地域版のアーツカウンシルにおいて、細かく助成金の仕組みをつくり、毎年見直しをしてチェックをしているような事例についても紹介がありました。 こうしたご意見に対して県からは、補助金制度について、ずっと同じ制度でやっていくわけではなく、これまでも新たな需要等に対応して見直しを行っていることや、今後、審議会等の御意見を伺いながら、制度の見直しを検討していくことを考えている旨、ご説明させていただいています。

佐藤けいすけ

アーツカウンシルに関しては、今後の検討の中でというところだと思いますが、専門家がいる機関における支援というのはいろいろな声を聞いていく中で、執行状況も上げて、寄り添ったメニューになるためには必要な取組みであると思いました。

意見

今回は補助金の実績などについて確認をしましたが、今後、民俗芸能の団体から、機会を捉えて意見を聞き、補助の在り方等含めて、今後の支援の携わり方についても検討を深め、民俗芸能などの文化振興につなげることを求めました。

沖縄アーツカウンシルを視察しました。

神奈川県議会議員:佐藤けいすけ

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