会議日:令和8年6月30日【環境農政常任委員会】
伊勢原市内で発生した地盤沈下に伴う今後の対策について
環境農政常任委員会報告資料(令和8年6月30日)環境農政局(PDF:688KB)

まず県ではこれまで地盤沈下の状況をどのように監視をしてきたのか、また、県条例で地下水最終規制を行っていない地域において、土地区画整理事業で工場が新たに立地する例や、近年の圏央道や新東名の開通などにより、水田が倉庫などに代わる例は、県央地域でも多く見られますが、伊勢原市のような事例はあるのか、伺いたいと思います。

県生活環境保全条例により、地下水採取規制を行っている相模平野の4市1町については、各市町が県の補助を受け、地盤沈下を監視するための水準測量調査を継続して行っています。また、相模平野と連続した平野を有する境川流域の藤沢鎌倉西についても、相模平野の周辺地域として同様に県の補助を受け、市が地盤沈下の調査を行っています。こうした6市1町の調査の結果では、近年、地盤沈下は沈静化しており、顕著な沈下は見られていません。
また、それ以外の市町村については、伊勢原市を除き、これまでに顕著な地盤沈下が発生しているという報告はなく、県が昨年度実施しました人工衛星データを活用した地盤沈下というのも、県内複数箇所で沈下となりましたが、県で行われている地下水採取を原因とする可能性が高いものは確認されていません。

地盤沈下の例はないということだと思いますけれども、今、相模平野のお話がありました。本県には足柄平野のような平野もありますけれど、この県条例による地下水採取規制や監視が行われていない理由を確認します。

地下水の過剰組み上げによる地盤沈下は、地下に軟弱な粘土層が厚く分布する平野で主に発生すると言われています。一方で、足柄平野については、砂や小石などが混ざった砂礫質の地質が主体で、軟弱な粘土層の分布が少ないことから、地盤沈下が発生しにくいと言われていますので、従来から、県生活環境保全条例による地下水彩育成や地盤沈下に関しての対象にはしていません。

報告では、事業所の地下水採取が原因である可能性についてということで記載があるんですけれども、そもそも今回の伊勢原で起きた、事業所の業種や規模というものはどのようなものなのか、確認します。

伊勢原市南西地区の地盤沈下の原因となった事業所の業種はリネンサプライ業で、当初の計画用水量は1日あたり800トンとなっております。

その地下水の利用者は、例えば、企業庁や企業誘致の担当課などと連携すれば、把握することも可能だと思うんですけれども、これまで環境部局としての把握というのはなされてきたのか、確認したいと思います。

今後、生活環境保全条例で地下水採取規制を行っています4市1町と、その周辺地域である藤沢鎌倉を含めた合計6市1町の区域帯については、同条例に基づき、一定規模以上の用水施設を有する事業者を対象に、地下水採取量の定期的な報告を義務付けています。それ以外の地域については、県として地盤沈下、防止の観点でも地下水利用者の把握は行っていませんが、県生活環境保全条例には、地下水採取規制以外にも、排水や騒音浸透などの公害を発生する設備を設置する工場事業所の許可制度を規定していまして、その申請書類には、使用する水の種類や使用量の記載を求めていますので、ある程度の規模の工場については、地下水利用に関する情報を把握できています。

伊勢原市においては、地下水は水道水源としていないということですけど、県の水源環境保全・再生施策では、地下水を主要な水道水源として利用している地域において、それぞれの地域特性に応じて市町村が最適に行う地下水かん養等の取り組みを促進しているということです。その実績とその効果についても確認したいと思います。

県は、地下水等を主要な水道水源として利用している地域において、市町村が実施する地下水位の計測等のモニタリングや、休耕田を借りて水を張るなどの地下水かん養等の地下水保全対策について財政的支援を行っています。現在、10市町がこのような対策に取り組んでいます。その成果としては、地下水位が水利用に影響がないレベルを維持していることを確認しています。

地下水涵養の取り組みというのは、地盤沈下防止には貢献できるのかということで、見解を伺いたいと思います。

地下水涵養の取組みのように、地下水の水量が豊かにあれば、地下水の汲み上げによる地盤沈下は、ある程度は緩和できる可能性はあると考えています。しかし、地下水の流れは非常に遅いため、伊勢原市で発生したような局所的に大量の地下水を汲み上げたことで発生する地盤沈下を、広域的な地下水涵養の取組みだけで防ぐのは難しいと考えています。

昨今では半導体生産、データセンターなど、大量の水を活用する業態が地域に進出している例もあると思います。熊本など地下水の保全のための規制や対応を強化していると聞いているんですけれども、県としては、こうした昨今の企業誘致、今後の土地区画整理事業などもある中、企業誘致を所管する部局と連携した取り組みも必要ではないかと思いますが、今後どのように取り組んでいくのか確認します。

熊本のように、県内の水道水源の大部分を地下水に依存している地域で、県レベルで地下水の水量保全のための規制を行っている例はありますが、本県では水道水源に占める地下水の割合は5%程度と低いため、県生活環境保全条例により地盤沈下防止の観点からの地下水採取規制を行っています。一方で、秦野市や座間市のように地下水への依存が高い一部自治体では、別途、独自条例による地下水の水道補填の取り組みを進めています。今後行う検討委員会では、地盤沈下防止の観点から、地下水採取の規制対象地域の拡大の必要性等について検討を行いますが、規制対象地域の拡大は企業誘致などにも影響を及ぼすため、地盤沈下の蓋然性が低い区域まで過剰に規制することがないよう、十分な検討が必要と考えています。
一方で、局地的な地質条件によっては、規制対象地域以外でも地盤沈下が生じる可能性も否定できないため、広域自治体の立場から地盤沈下を発生させないために、広く事業者が配慮すべき事項をまとめ、事業者に未然防止の取り組みを促す自主管理的手法の導入についても、合わせて当委員会に意見を伺っていきたいと考えています。検討委員会での議論の結果、仮にこのような新たな制度を導入することになった際には、県や関係市町村の企業誘致、担当部局とも連携して、制度の周知をしっかり行ってまいります。

今後の検討の中で、自主管理的な検討をしていくということです。本県は非常に豊かな地下水があり、こうした水資源というものを本県の強みとしていくことは非常に大事かなと思っております。企業誘致などと応じて来ていただく企業が地盤沈下させてしまったりした場合に、いろいろ周辺地域との双方にとっては望ましくない結果になると思います。今回の事案を契機に結果を取りまとめたときには、企業誘致部局とも連携をして、積極的に周知を行っていただきたいと思います。
神奈川県議会議員:佐藤けいすけ
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