会議日:令和8年9月16日【令和8年第3回定例会】
①本県における関係人口の創出・拡大に向けた取組みについて
人口減少や高齢化が進む地域において、持続可能な地域社会を維持していくためには、一時的な「観光人口」とは異なり、繰り返し他地域から訪れ、地域と関わる「関係人口」の存在が極めて重要です。
私は令和4年9月の一般質問において、関係人口の創出を通じた移住の促進について質問し、知事から「専門的な知識や経験を有する民間の人材を派遣し、市町村の課題解決に向け支援を行うことで、関係人口の創出や移住促進を図る」との答弁がありました。
また、令和4年の国の調査では、主な生活圏以外に滞在拠点を持つ二地域居住者は約700万人いると推定されており、関係人口が二拠点での居住や、その後の定住など、幅広い住まい方にもつながっていると考えられます。
こうした中で、国は令和7年度に「ふるさと住民登録制度」を実施する方向性を打ち出しました。

この取組みは、生まれ育ったふるさとや、災害ボランティアを行った地域に思いを持つ方を対象に、国が提供するアプリ等を活用し、地域の「ふるさと住民」として登録いただき、登録された地域が登録者に様々な情報提供や、宿泊や交通費等の支援などを行うことで、農林水産業をはじめとする一次産業や地域活動に日常的・継続的に参加する人の拡大を目指していくものです。
今年の春から、全国28地域でモデル事業が行われており、国ではその結果を踏まえ今年度中の本格実施を目指すとしています。
この制度は、人口減少が進む地域の活性化や、地域ごとのアプリの登録者数を通じて「関係人口」を可視化することを目的にしています。県内の市町村においても国の事業に関心があると考えられ、県としてもその動向を注視し、しっかりと市町村を支援していくことが必要です。

一方、県では三浦半島や県西地域を中心に、関係人口に着目した様々な事業に取り組んでいると承知しています。
こうした県独自の取組みに加えて、国のふるさと住民登録制度の動向も見据えながら、これまで以上に関係人口の創出や拡大に向けて取組む必要があるのではないでしょうか。
そこで、本県における関係人口の更なる創出・拡大に向け、今後どのように取り組むのか、知事の所見を伺いました。
知事答弁

住民ではない方が、仕事や趣味等を通じて地域と深く関わる「関係人口」の拡大に向けて、県では市町村を支援するため、PR動画の配信や、企画段階から助言を行うアドバイザーの派遣等を行ってきました。
一方で、人口減少は依然として進んでおり、地域の担い手を多様な形で確保するためにも、関係人口の拡大に向けた取組を一層強化する必要があります。
そこで県では、特にニーズが高い三浦半島地域と県西地域において、デジタル等の専門スキルを持つ都市部の方々と、地域の課題をマッチングし、その解決に関わっていただく「副業・兼業人材 活用事業」を行っています。加えて三浦半島地域では、若者が長期休暇を利用し働きながら地域の暮らしも体験する「ふるさとワーキングホリデー」を、昨年夏に開始したところです。

県HP「令和8年度副業・兼業人材活用事業(みらいマッチング)受入事業者向けページ」
また、個人が仕事やボランティア等を通じて、思い入れのある県や市町村に、「ふるさと住民」としてアプリで登録する仕組みについて、国は本格実施に向けた準備を進めています。
県では、この取組みとの連携も、有効と考えていますので、現在国のモデル事業が行われている他県での取組内容や課題等の情報を収集し、県内の市町村が検討しやすいよう、積極的に情報提供を行っていきます。
今後も、市町村や地域の関係団体等と緊密に連携し、関係人口の創出・拡大に向けて、しっかりと取り組んでまいります。
再質問

関係人口を増やしていくためには、例えば、都市部に住んでいて「特定の地域にこだわりはないが、自分のスキルを他の地域の活性化に活かしたい」と思っているような方に、いかに自分の地域の魅力や課題等の情報を届け、関わってみたいと思わせる「アプローチ」が必要と考えます。
こうしたアプローチを行うのは主に市町村である一方、県も積極的に市町村のアプローチを支援していくべきと考え、知事の所見を伺いました。
知事答弁

都市部の住民の中には、地域に関わりたい人材もいますが、そうした人たちが多く登録する民間のマッチングサイトがあります。加えて、他県では、特色あるモニターツアーを実施しているところもあります。
県ではこうした情報を収集し、市町村に提供してまいります。
また、三浦半島や県西地域では、地域が求める人材の情報を県が取りまとめて、人材とのマッチングを行っています。
こうした取組によって、関係人口の拡大に向けた市町村のアプローチを支援してまいります。
意見

今回、答弁で「ふるさと住民登録制度」についてもお話がありました。
この制度は、すぐに効果があげられるものではないと思いますが、制度の導入に出遅れると、関係人口になり得る人を逃してしまう、そういった側面もあると考えます。
それだけ、今、人口減少に悩む市町村や地域にとっても、さまざまな分野で関係人口を必要としています。地域が衰退してしまうという危機感もあると思います。
国の制度を積極的に注視しながら、県の取組みを強化していただくよう求めました。
神奈川県議会議員:佐藤けいすけ

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