球磨村における森林・集落・道路、治山施設の被害・復興状況について

調査

(1)日 時 令和5年4月27日(木)午前9時から11時まで
(2)場 所 球磨村被害集落など
(3)対応者 球磨村建設課 農林土木係 浦野様
(4)調査概要

球磨村令和2年7月4日の豪雨災害によって、7/3(金)12:00から7/4(土)12:00までの最大24時間雨量で536mmを記録し、
7/4(土)3:00から4:00までの1時間で最大雨量78㎜を記録した。
村内にある集落も集落上部の森林や支川、沢沿いの集落は氾濫などに飲み込まれたところもある。
県などが行う治山関係施設の被害箇所を視察し、集落被害と復興状況について調査した。

村内にある集落も集落上部の森林や支川、沢沿いの集落は氾濫などに飲み込まれたところもある。県などが行う治山関係施設の被害箇所を視察し、集落被害と復興状況について調査した。
治山と球磨村にそそぐ河川、沢の状況を案内していただきました。河川と道路の違いがわからなくなり、球磨川に合流する手前の河川があふれかえり、想像がつかないくらいの高さまで川の水かさが増し、家が飲み込まれて、かなりの家が撤去されていました。
作業道や植林地も案内いただき、林業をしている方にもお話を伺うことができました。

《質疑応答》

問 作業もまだまだ時間がかかるように見受けられる。昨年は九州北部豪雨の調査で福岡県を視察した。5年たっても未だ復興作業をしていた。
答 業者の人手不足。入札も不調が続いている。

 不調の状況は
 河川などは作業しやすいため業者の方々もそのような箇所から取っていく。どうしても僻地の林道ややりにくい農地などがどんどん不調になり後回しになっている。入札を30本出しても1~2本しか成立しない。

考察

嵩上げについて
神瀬地区は球磨川本流に注ぐ支川沿いの集落並びに道路が被害を受けており、支川の上流の森林を抱える山復が崩壊し、土砂、木が支川渓流内に流れ込み、村道、集落を飲み込んだ。また球磨川本流に合流する箇所にあった家屋はバックウォーター現象により、多くが飲み込まれ、復興にあたっては嵩上げを余儀なくされていました。
電柱には嵩上げするマーキングがついており、工事を行っていました。

森林整備との関係について
事前の情報収集の中で、森林整備の在り方によって、山復崩壊や土砂流入が増えたといった情報があり、特に森林の皆伐地帯は直接豪雨が土を叩くことから、被害が多いのではないかと考えたが、直接見たところでは因果関係などは分かりませんでした。
案内頂いた職員の方によると、必ずしもそうともいいきれないとのこと。
作業道の作り方や維持方法が山を壊す可能性も探りましたが、多くの比較はできませんでした。

入札不調について
災害箇所が多く、入札不調に終わることが多いとのことです。
不調が続き、被災地が放置されれば、次なる災害が再び来た時にさらなる被害を招いてしまいます。
緊急に復旧する必要がありますが、こうしたところは広域自治体の県が他都道府県、関係団体へ働きかけ、早期に復旧に向けて支援する必要があります。
すでに災害査定などの現場では県職員が支援に入っているという状況も言及されました。

観光施設への影響について
村内が山岳地帯で、工場などの産業を誘致できない地域では観光産業が基幹産業となる場合があります。
とくに球磨村では急流を使用したラフティングや鍾乳洞の施設である球泉洞があり、それぞれ、球磨川の氾濫と球泉洞上部の山復崩壊による土砂流入でストップをしていましたが、災害を伝えるためにも、早期の事業の復旧が逆に村内への人口流入をもたらし、強いては、球磨村並びに球磨川の災害に目を向け、考えるきっかけになるのではないかと感じました。

神奈川県議会議員:佐藤けいすけ

 

 

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